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次に、あまりに無邪気に自分の成功ぶりを称え、自分と仲の悪い人間を遠慮なくケチョンケチョンにしておきながら、自分に降りかかった不幸については、身も世もなく泣き叫ぶ。33年も経ってから、この本を読むことになった読者としては「おいおい表現の自由にも程があるなー、昭和40年代ってのはー」と思わざるを得ません。これが引っかかりの第二。
本人にはたぶん、悪気は無いのだろうけど、読んでいて心地よくなれるような文章では無いですし、ここから何かしらの感動を得ようと思っても、それは無理がありすぎる、と思うのです。どうやら、著者も亡くなって既に10年以上も経過しているようですし、これ以上責めたところでどうなるものでもないですが。
なんと魅力的な女性がいたものよ!と、熱病に浮かされるような気持ちで読みきりました。 ほとばしる情熱、小気味の良い行動力、その反面シャイな部分もあり、振り幅の激しい彼女の生き様に惚れ惚れしました。 一坪の事務所から出発した彼女の会社運営に、大阪の商いの現場を垣間見たようで読んでいて本当にワクワクしました。 プライベートでは映画の西部劇を見るのが好きで、フラメンコに夢中になり、同居する大きな犬をこよなく愛する羊子さん。 そして司馬遼太郎をはじめとする彼女の交友関係の広さにも圧倒されました。 決して人生楽しいことばかりじゃないけれど、自分の目の前に楽しいことを掲げて生きる! そんな彼女の生き方がかっこいいなぁ〜と思いました。 それにしても彼女の手がけた「チュニック」の下着たちのイラストには正直ドギマギしました。 私のこれまでの人生にはとんと縁のなかった世界です。 実に魅力的でした。一度手にとって見てみたいものだと…。
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