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夢を与える
綿矢 りさ(著)
【河出書房新社】
定価1365円(税込)
2007年2月
ISBN-9784309018041
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
小松 むつみ
評価:★★★
さすがに芥川賞作家、流麗な文章、丹念な情景描写。少々陳腐なストーリーも、息つく隙を与えずに読ませてくれる。幼いころから芸能活動をしてきた少女の、その美しい外面からはうかがい知れない、家族・家庭の揺らぎ、特殊な環境の中での自我との葛藤、ひとりの女の子としての心と体のエネルギーの発露の行方が絡み合う。
惜しむらくは、主人公夕子の心に最後まで寄り添うことができなかったところ。それは、あまりに自らと遠い設定のためだけではなかったのではないだろうか。もう一歩、こちらに踏み込んでくるものがほしい。
「人に夢を与える人になりたい」とうそぶきながら、果たして自らこそ、その”夢”に絡み取られる。誰もが持つささやかながら尊くも大切なもの、それこそが、少女が求めていたものなのだろう。
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川畑 詩子
評価:★★★
幼い時からシリーズ物のテレビCMに出演し、国民的美少女タレントになった夕子。健やかに聡明に成長し、ある時ブレイクするのだが……。
芸よりも実生活や成長ぶりを注目されるタレントの葛藤や焦り、そして壮絶な孤独が描かれ、打ちのめされた。若くして芥川賞を受賞し、世間から注目された作者自身の感慨と重ね合わせるのは単純だろうか。冷めた目で世の中を見ていることと、描写力の強さが際だっていた。エロティックというよりも生々しいベッドシーンが描けるなんてすごいと思う。
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神田 宏
評価:★★
「史上最年少芥川賞受賞女性作家」に書かれるべく、ないしは書くべく期待された作品に、著者は素直に回答したのだろう。メディアの中で注目され、やがて墜落してゆく一人の少女の物語。どうしても著者の姿とダブってしまう。それは緻密なマーケティングの結果なのだろうか? 墜落の背景にあるのは悪意に満ちた欲望だけではあるまい、むしろそれは成功を羨望の眼差しで期待しながらも、失墜を望む嫉妬の薄暗い力であろう。そのことを著者が意識しなかった筈はあるまい。その力に抗することなく身をゆだねたこの作品は、期待されたことを描ききること、そのスマートな証明にはなるのかもしれない。しかし、なお、そこから飛躍する力を、著者ははたして持ちえるのか?「あなた方が望んでいるのはこれでしょう?」と嘲笑するかのような眼差しは無く、真摯さと不器用なまでの真面目さのみが伝わってくる。そして、それは自分の生活をスキャンダラスに彩ることで、延命を図ったかつての私小説作家たちの、暗い眼差しを思い起こさせるのだ。まだ、実生活の身売りは救われる。しかし、此処には欲望にもまれ、擦り切れた観念の亡骸のようなものがあるようで怖い。売り出されたそれを買い戻すのか、無くても大丈夫と嘯くのか? 作者と作品の距離を考える上で示唆に富んだ作品ではある。
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福井 雅子
評価:★★
チャイルドモデルから芸能界に入り、成長を追って連作で流れるチーズのCMとともに人気者になった夕子が、やがてスキャンダルの落とし穴にはまり、悲劇的な転落を味わう。
読み終えて、冷え冷えとした気持ちになった。恋人を繋ぎとめたいという母親の都合でこの世に生を受け、物心つく前から当たり前のようにモデル→芸能界という母親の敷いたレールの上を歩み、人気が出ると今度はテレビを見る人々に「夢を与える」ことが仕事だと思い込む。どこかで疑問を感じつつ、いつも誰かの「人形」でいつづける夕子は、やがて「人形」でいたために培われなかった思考力や判断力のなさが引き起こすスキャンダルにまみれ、道を踏み外してゆく。このありがちな展開がかえってリアルで怖い。作品としては傑作とは言い難いと思うが、文章の上手さや作品としてきれいにまとめる力には才能を感じる。
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小室 まどか
評価:★★★
母親の後押しで、知らず知らずのうちに「夢を与える」芸能界に染まり、ブレイクした夕子。仕事をセーブした途端に大きくなった心の隙間を埋めるかのように、初めて「夢を見る」のだが……。
その外見と仕事のせいで幼い頃から周囲から浮いた存在であった夕子の、潔癖ともいえる孤立感、ブレイクするにつれ失われていく純粋さと脅迫的に募っていく焦燥感は丁寧に描かれ、胸に迫るものがあった。が、それに引き換え、終盤の心理描写はやや雑というか、あれほど周囲の目を恐れていた人間が陥る状態としては説得力に欠けるように思われる。
一方、母親の女の妄執というか、夫や夕子に対する空恐ろしいくらいの支配欲の描写が秀逸で、これまで等身大の女子高生を描いてきた印象が強かった作者が、これほどの迫力を持って、少し逸脱した大人の女性の内面を描き切ったことに脱帽した。これはむしろ、母親が「無理やり手に入れたものは、いつか離れていく」ことを実感するまでの物語なのかもしれない。
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磯部 智子
評価:★★★★
夢を与える、夢をもらう。夢を何かに置き換えてスポーツ選手やアイドルがメディアを通して発言する度、そんなもの簡単に与えたりもらったりできるものなのかと違和感を超えた反発があった。それをタイトルに持つこの小説は、作家自身の姿と相似形になり、その痛烈な皮肉は人と人との距離感に対する錯覚を一気にひっくり返してしまう。今回綿矢作品を『蹴りたい背中』から読み始め、軌跡を辿ることになったが、芥川賞を受賞した前作は、イケズな視点を標準語に翻訳する課程で、言葉は選び抜かれ「悪意」より「青春」を際立たせていたが、今回いよいよ本領発揮か。通俗小説の形態でつらつらと読ませ、知らぬ間に虚と実のあわいに読み手を巻き込んでしまう。今月の課題中唯一、読了後も考えがまとまらなかった小説であり、作家の今後の展開に不安混じりの期待をこめて評価を決めた。
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林 あゆ美
評価:★★★
夕子はかわいらしい少女だ。そのかわいさからチャイルドモデルの仕事を得て地味に活躍していたが、あることをきっかけにブレイクする。仕事を始めた時からマネージャーのように夕子についている母親は、常に夕子中心に動く。反対に父親は、別にそんな子どもの時から働かなくてもと、海につれていったり、ふつうの子どもの楽しみを与えていた。3人のバランスは絶妙にとれていた。しかし、夕子に新しい出会いがおとずれ、とれていたバランスがくずれはじめる……
所属事務所の社長は夕子にこう言う。「肉が固まるまでが勝負時だと」。不思議な言い回しだと思いながら読んでいたが、読みすすめていくとその言葉がなんてピッタリくるのだろうと感心した。やわらかい少女が固まるとき、それは何を経てからか。物語の夕子を描くトーンは、プロが書いているのだからあたりまえだが、終始しっかりしていて、読ませる力を感じた。夕子を中心に、母親と父親の背景、それぞれの大事な人たち、きっちり真面目に書かれている。
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