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「ひとりで生きる。それがおれの宿命なのだろう。」 主人公は44歳のカルロス、彼が海外赴任からキューバの自宅に戻るとそこには彼の居場所がなかった。 妻は亡くなり、残された三人の子ども達はもはや他人同然のようなそぶりしか見せてくれなかった。 その子ども達がアメリカに亡命する過程で、彼は「自分の未来を自分ではどうすることもできない逃亡者」としての日々を余儀なくされることとなる。 しかし、重要なのはここの部分なのだが、彼は逃亡の日々にあっても心は平穏だった。この理由はじっくりじっくりと読んでいただきたい。 執拗に彼を追い回す敵の存在に辟易しながらも、展開が早くスリルがあって、一気に引き込まれてしまう。ページをめくるのが(登場人物確認のため)もどかしいほどだ。
印象的だったのは年を重ねた男のかつての言葉。 「地球上のあらゆるものが消滅しても、家族と愛と友情だけは残るだろう」 そしてお楽しみのラスト一行。しみじみ余韻にひたりました。
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