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家日和
奥田英朗(著)
【集英社】
定価1470円(税込)
2007年4月
ISBN-9784087748529
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
評価:★★★
孤独からネットオークションにハマる、倒産で主夫への転向を余儀なくされる、家財道具根こそぎ持って別居される、幸せだが平凡すぎる毎日に欲求不満になる、夫がまたもや儲け話の大博打に打って出る、妻がご近所のカリスマ主婦に洗脳される……。
奥田英朗の作品でいつも感心させられるのは、日常の些細なストレスの積み重ねからくるギリギリの精神状態の描写の巧みさだ。まわりから見たらちゃんちゃらおかしいような苦悩で笑いをとりつつ、誰もが自分もふとしたことで陥ってしまう可能性で密かな共感を呼ぶ。病理域まで針の振り切れてしまった人たちが、常識の通用しない精神科医・伊良部の荒療治で現実に引き戻されるシリーズに対し、本作では主人公たちが爆発する前に自ら解決策を見つけて楽しみ、その結果として家庭のなかの自己を肯定するに至っている。
「居場所を見つける」小さなカタルシスはもはや作風のようだが、「家」と結びつけることでその効力が無理なく発揮されている。
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水上のパッサカリア
海野碧(著)
【光文社】
定価1470円(税込)
2007年3月
ISBN-9784334925413
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
評価:★★★★
Q県の湖畔の家で暮らす「私」は、巧妙に装われたその平凡で堅実そうな生活の裏に、実は信じられないような過去を持っていた。半年前に愛する女・菜津を失ったのをきっかけに、「私」にその影が迫る――。
序盤から謎めいた雰囲気と緊迫感を持続し、「私」が急速かつ無理やりに過去に呼び戻される後半に至って、惜しげもなく謎を明かしていく一方、次々と味のあるキャラクターを登場させ、飽きさせない。設定はやや現実味を欠き、オチのつけ方も若干強引ではあるが、ミステリというよりは、こうした展開の緩急と洗練された騙し合いを愉しむエンタテイメントととらえれば、さほど気にはならない。油断も隙もなく、他人に心を許すことのないはずの「私」に、変に律儀なところやある種の感傷があったり、得体の知れない計算ずくで冷徹なヤクザの岡野に、意外に憎めない魅力や弱点があったりなど、人物造形にも深みと茶目っ気が感じられるのが好もしい。
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花宵道中
宮木あや子 (著)
【新潮社】
定価1470円(税込)
2007年2月
ISBN-9784103038313
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
評価:★★★★
江戸は吉原の遊郭・山田屋を浅からぬ因縁で通り過ぎる遊女たちの生き様を、時の流れを行きつ戻りつしながら、鮮烈かつ幻惑的に描く連作5篇。
官能小説というと、あまり読みつけないうえに、作者の性別によらず、仮に惹きつけられても、読後にしらじらとした虚しさを感じてしまう印象があったのだが、本作にはそうした胸の悪くなるような雑味が一切ない。浮かび上がっては闇に溶ける花々に、色鮮やかな道中、遠く聞こえる火事の半鐘に、愛しい人の名を呼ぶ声、しっとりと冷たい手に、芯を刺し貫かれるような痛み、切子に注がれる冷し飴の甘味に、人知れず流す涙の苦さ、湯上がりのうなじから漂う杏子の香りに、着物に染み付いた藍の匂い……。ひたすらに美しい言葉が織り重ねられ、匂い立つ世界が、五感のすべてを痺れさせ、陶酔させる。
遊女たちは「何も残さず」去っていく。しかし、おはぐろどぶに浮き沈みしても決して汚すことのできない白い肌のように、その気品と潔さ、生への執着は心を捉えて離さない。
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桜川ピクニック
川端裕人(著)
【文藝春秋】
定価1300円(税込)
2007年3月
ISBN-9784163257006
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
評価:★★★
よその家庭の問題を垣間見て義憤を覚えたり、仕事の最前線を離れて見えてきたものに戸惑ったり、集まって妻への不満や育児のうさを夜遊びで晴らす誘惑に駆られたり、初めて妹を持つ息子の不安定さを思いやったり、娘が直面するジェンダー問題に共に取り組んだり、仕事もバリバリしたいが子どもと過ごす時間も大切に思えたり……。
男のひとが「お父さん」の自覚を持つ過程を、ユーモアと時に自虐的なアイロニーを込めて、みずみずしく綴った6篇。いくつかの家庭が登場するが、基本的には父親が子育てにかなりの寄与をしており、筆者自身や周囲の父親たちの体験のにじみ出た等身大のものだと思われ、ゆれる心情や意外に繊細な男心、子どもたちに注ぐ愛情がよく描けている。特に、最後のピクニックの情景は、子どもたちが父親に絶大な信頼感を寄せつつも外界への旺盛な好奇心を見せ始める時期に特有の、こぼれるような幸せがひろがってゆく。
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ハルさん
藤野恵美(著)
【東京創元社】
定価1680円(税込)
2007年2月
ISBN-9784488017316
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
評価:★★
人形作家のハルさんは、一人娘のふうちゃんの結婚式にあたり、妻を亡くしてから今日までの、ふうちゃんの成長の過程を回想していた――。
ほんのりとふしぎな事件に絡めて、父と娘のあたたかな記憶と、ささやかなすれ違い、娘の成長に伴う関係性の変化が、ゆったり、やわやわとしたテンポで描かれている。文句のつけようのないいい話。だけど、それだけと言ってしまえばそれだけなのだ。
父と娘は、おたがいを思いやりあってはいるが、それぞれに葛藤を抱えても、ぶつかりあうことがない。どことなく遠慮しあっていて、親子関係としては不自然な感じで食い足りないのだ。結果、うがった見方をすれば、娘は父の言葉の端々や母の遺した言葉をヒントにやたらとしっかり独断的に成長していき、反面、父はいつまでも妻に頼って取り残されていってしまうようにも見える。せっかくのいい話。ほのぼの、だけで終わらないでほしかったといったらよくばりか。
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林檎の木の下で
アリス・マンロー(著)
【新潮社】
定価2415円(税込)
2007年3月
ISBN-9784105900588
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
評価:★★★★
「短篇小説の女王」が、長年にわたって少しずつ発表していた短篇に書き下ろしを加えてまとめた、自らの一族にまつわる物語。あくまで「小説」と断りながら、淡々と運ばれていく短篇のいずれにも、身内に対する遠慮のなさと、その裏に存在する親愛の情があふれている。
初恋という日本人好みの題材を扱っていることや、語感の美しさから、邦題に「林檎の木の下で」が選ばれたのは頷けるし、こうした自伝的小説にあたる部分では、生き生きとした描写や、当時の自分を取り巻く環境に対する突き放したようなまなざしが冴えている。しかし、原題には、アメリカへと向かう船上の祖先たちを描いた「キャッスルロックからの眺め」が選ばれているように、この本の白眉は、わずかな手がかりから想像力を駆使して血族の足跡をたどる部分にこそある。マンロー自身が魅せられた、妖精の生きていた時代から連綿と紡がれてきた糸が、たしかに自分に結びついていることを実感する喜びが、ゆっくりと流れ込んでくる。
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リヴァイアサン号殺人事件
ポリス・アクーニン(著)
【岩波書店】
定価1680円(税込)
2007年2月
ISBN-9784000246347
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
評価:★★★
ロシア人外交官ファンドーリンが乗り合わせた豪華客船には、パリで起きた非情な大量殺人の犯人が潜んでいるという。ゴーシュ警部が目をつけた乗客たちはひとつのサロンに集められるが、さらに新たな事件が――。
洋上の豪華客船という閉鎖的な舞台設定に加え、大量殺人事件とも絡む謎の財宝の行方、多国籍でいずれも何か秘密を匂わせる人物たちが心の声・日記・手紙などで代わるがわる進行役をつとめ、探偵役のファンドーリンの活躍は彼らの目を通してしか語られないという構成の妙など、ミステリーを盛り上げる手法が詰め込まれた、凝った作りの作品。
細かな新聞記事の切り抜きや、どうということもない会話の端々にまで伏線が仕込まれているので油断ならない。登場人物の多さと、進行役の交代による複雑さも手伝って、それぞれの秘密が徐々に明かされていく後半までの展開がもたつきがちなのだが、あるいはそれも目眩ましの作用を狙ったものか……。
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エソルド座の怪人 アンソロジー/世界篇
ナギーブ・マフフーズ(著)
【早川書房】
定価2100円(税込)
2007年3月
ISBN-9784152088024
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
評価:★★★★
エジプトからキューバまで、さまざまな国々の作家たちの織り成す、短いながらも “奇妙な味”が忘れられない物語の玉手箱である。
個人的に、最もインパクトが強かったのは、「誕生祝い」(スコットランド)。中盤に至って、ふとタイトルの持つ意味の大きさに気づかされたときの衝撃はすさまじい。最も楽しんで読めたのは、「トリニティ・カレッジに逃げた猫」(カナダ)。『フランケンシュタイン』をめぐる「偶然の一致」が引き起こす「悲劇」が、ゴシック小説を揶揄するような独特の口調で語られ、終始ニヤついてしまう。最も趣味の良さを感じたのが、「エソルド座の怪人」(キューバ)。名作『オペラ座の怪人』にインスパイアされて、映画、文学、空想の世界を忙しなく行ったり来たりする作者の頭のなかを覗き見るようでおもしろい。見たい映画と読みたい本が増えるはずだ。
それぞれに趣向が凝縮された11篇。GWにどこへも行けなかった方は、奇想に満ちた世界旅行に出てみてはいかがだろうか。
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