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今回は読みながら、なんとも奇妙な気持ちにさせられた。 自分でもすっかり物語の中に入り込んでしまって、Q&Aを聞きながら自分で物語を組み立てていく感じ。半分以上を音読しながら読んだ。 物語そのものはある郊外の大型商業施設で発生した重大死傷事故をあつかったもの。 現場の状況は?犯人は?一体何の目的で??? 質問の仕方によって相手が微妙に、そして突然劇的に変化していく様子をドキリとしながら読んだ。 思わず本音を漏らしてしまって、その後は坂道を転げるように変化していく女性、思いもよらぬ告白をする少女達…。 同じ状況下にいながらも、それぞれの食い違う証言を見るにつけ、いつだったか読んだ哲学の本に「自分の見たいものしか見ない」という人間の本性をまざまざと突きつけられた感じ。 それにしても窓のない大きな建物が大きな墓標に見えるというくだり、実は私も感じていた。
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