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そして更に、死んだ父親の愛人登場。どれだけ役付いたらこのゲームは上がり? とツッコミも入れたくなりますが、いずみは案外たくましく生き流せてるのですな……ふと思ったんだけど、結局、「蛙の子は蛙」って話ですねこの作品は。
確かに母親と娘、見比べて差異はいろいろあるかもしれないが、それは、加えてきた年月による経験値の差であって、母親くらいになる資質は十分あると思われますが、ねえ、いずみさん?
ま、何にせよ、母親も娘も、俺の好きなタイプからは程遠いので、目の前にいたらきっと、さっさと退散しますよ。はい。
画家の夫が困った死に方をして未亡人となった毬子さんは、美術館に改装した家で大学生になった娘のいずみと二人暮らしをしている。 娘に言わせればのほほんオーラ全開で美人のママの周りには、親衛隊のごとくママを慕う中年男性の取り巻きが数人がいる。 「いいじゃないの」が口ぐせのママは悪びれもせず、はたから見ると、実に奔放に生きている。 実際そうなのだが、いろんな想いをかかえていても、それをうまく昇華してへっちゃら顔で生きている。 それがなんともかっこいい! そう言えば、毬子さんは40歳の時にいずみを産んでいるのだから、60歳にはなっている。 それで、あの行動力、あのかわいらしさ…、いはやは親衛隊がいるのもしごくあたり前のことかもしれない。 井上作品は「だりや荘」の時もそうだったが、今回も最後まで一気に読まずにはいられないほどのひきこまれ力があった。
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