評価:★★★★★
「親孝行とはプレイである」と、高らかにみうらさんがこう宣言する。
いきなり胸にとどろく切り口だ。
そして「まずは行動。これが親孝行の第一原則だ」と続ける。
具体的なアドバイスとして、親孝行旅行、帰省のテクニック、妻活用法、孫活用法などがあったが、中でも私がいちばんうなってしまったのは友活用法。
親孝行旅行に自分の友達も参加してもらうのだ。
みうらさんの場合は、『見仏記』の共著もある作家のいとうせいこう氏。
彼はみうらさん親子の旅に同行し、実にうまく旅行を進行させてくれ、それこそピカ一の親孝行旅行に仕上げてくれた。
それは距離があるからこそできる技で、その効力の大きさを目の当たりにて、大納得した。
全編を通じて、みうらさんがいかにご両親のことを大事に思っているかということが感じられて心が温かくなった。
そしてよくよく見ると、はじめにのところにたぶんみうらさんの自筆であろう”感謝”という文字があり、なんとも嬉しくなった。
それにしても父親と息子のえもいわれぬ男同士の親子関係には大いに興味を持ち、時に大笑いしながら読んだ。
母と娘とは違うなにかがあるらしい…。 |