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父の国芳は浮世絵の腕はめっぽういいのに、弟子が多すぎるためか、吉原に入り浸り家に戻らないせいか、いくら稼いでも貧乏暮らし。 火事の時は「しかたあるめぇ、命さえ無事なら、またいくらでも描けるさ。」、禁制でがんじがらめになった時には「時代が悪すぎらぁ。だがよ、登鯉よ…だから面白ぇんだぜ」、 なんでも面白くしてしまう名人で、一生懸命働くときは働く、遊ぶときは遊ぶ。 すかっとした生き様がなんとも魅力的。 そんな父親と暮らしながら、初めての恋に胸をこがし、だんだん分かってくる大人の世界を理解しようとする登鯉。 少女から大人への階段をのぼっていく彼女の成長ぶりがなんともまっすぐで、真夏の太陽のようにまぶしい。
千社札の投げ張りの場面では心が躍った。 これまでとは違う気持ちで神社の門を見上げるその日が待ち遠しい。
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