●担当者●流水書房青山店 秋葉直哉

2012年12月20日更新

『時の光』河野道代

 公孫樹並木を日々歩いている。だんだんと葉が黄色くなり、実が落ち、落葉していくさまを眺めながら、車ばかり多く走り、人通りのあまりないその道を何度往復したことだろう。やがて緑の葉に蔽われていくことを思い... 記事を見る »
2012年11月15日更新

『やさしい女・白夜』ドストエフスキー

 ロベール・ブレッソンの『白夜』を観た。1970年の夏から秋にかけて撮影され、次の年のカンヌ映画祭で上映、パリでの公開はさらに翌年の1972年。日本でも1978年2月に公開されたらしい。ところがそれ以... 記事を見る »
2012年10月18日更新

『リスボン日記 寛容をめぐる詩的断想』横木徳久

 はじめは、ヴィム・ヴェンダースの『リスボン物語』だろうか。あるいはマノエル・ド・オリヴェイラの『階段通りの人々』だったかもしれない。リスボンという街に興味を抱くようになった最初の記憶、それが曖昧にな... 記事を見る »
2012年9月20日更新

『K』三木卓

 高田渡に『系図』(1972年)というアルバムがある。真夜中にきくと手紙をかきたくなる。永山則夫の詩を歌にした「手紙を書こう」という曲がはいっているからなのかもしれない。「69」は金子光晴、「長屋の路... 記事を見る »
2012年8月16日更新

『この人を見よ』後藤明生

 1999年に亡くなっているから、既に13年という歳月が流れている。後藤明生の「この人を見よ」は1990年から福武書店の文芸誌「海燕」で、93年まで足かけ4年間連載されていた。連載中に亡くなってしまっ... 記事を見る »
2012年7月19日更新

『清岡卓行論集成』岩阪恵子、宇佐美斉編

 過日、少年を探しに図書館へ出かけた。正確には、鳥博士の少年を探しに。清岡卓行の詩のどこかに、ぼくの探しているその少年はいる。 『清岡卓行論集成』に収録されている宇波彰さんの書いた追悼文。多摩湖の近く... 記事を見る »
2012年6月21日更新

『言葉を生きる』片岡義男

「永遠の緑色」という本のタイトルで、そのひとに強く興味を抱いた。しかし、そのひとの本はたくさんありすぎて、どれから読めばいいのかわからず、読まないままその強い興味だけが心のどこかでちゅうぶらりんになっ... 記事を見る »
2012年5月17日更新

『リプラールの春』玉置保巳

 帯の背の部分に「ドイツ紀行」とあったから、棚から抜いて取り出してみたのだと思う。手にとってみるとやはり帯に「夫婦でドイツ留学した語学教師のドイツ紀行」とあって、それで、それだけで買うことに決めていた... 記事を見る »
流水書房青山店 秋葉直哉
流水書房青山店 秋葉直哉
1981年生まれ。新刊書店と古本屋と映画館と喫茶店を行ったり来たり。今秋ニュープリントでついに上映されるらしいロベール・ブレッソンの『白夜』を楽しみにぼんやりと過ごす日々。