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- 『本日、サービスデー』
- 朱川湊人
- 光文社
- 1,785円(税込)

- >> Amazon.co.jp
- >> 本やタウン
43歳の鶴ヶ崎雄一郎は、ごくありふれた毎日を送っている。朝は会社近くの駅前、「本日、サービスデー」というのぼりが毎日立っているそば屋で、そのサービス品のゆで卵とかけそばを食べる。会社では課長だが、懸案の仕事は他社に取られそうで揉めているし、営業副部長からは早期退職者募集のファイルを見せられる。強制ではないというが、自分がリストラの対象になっているのは明らかだ。憂鬱な気持ちで帰宅しても、妻にも子供にも邪険に扱われる。映画を観たいと思ったのに、大事なビデオは庭の物置に邪魔そうに捨て置かれていた。ところがその映画ビデオの画面から、謎の女が「今日はあなたのサービスデーなのよ」と呼びかけてくるではないか。その時から、彼の人生で最高の一日が始まった、はずだったのだが......。(「本日、サービスデー」より)
朱川湊人氏といえば、直木賞受賞作『花まんま』や、『都市伝説セピア』などによって、ホラーなのに懐かしさや物悲しさを感じさせる「ノスタルジックホラー」の名手として知られる。この中短編集も、ジャンルとしてはホラーになるだろうが、ごく普通の日常を舞台にしながらも、ちょっと変わった非日常を見せてくれる。いつの間にか奇妙な世界に連れて行かれたような感覚だ。語り口も今回はユーモア性を前面に出しているため、登場人物たちの言動が妙に可笑しかったりする。
表題作の他に収められているのは、
人の死にまつわる品々を「品評」する謎のクラブ......「東京しあわせクラブ」。
バイト先の先輩が同居している、るり子という名の「右手だけの幽霊」......「あおぞら怪談」。
兄貴を見返してやるためにザリガニと格闘する......「気合入門」。
自殺した少女が三途の川で次々と見せられる、未来に出会うはずだった"未来ゴミ"の数々......「蒼い岸辺にて」。
の、計5作品。
見せ方は様々だが、全体を通して「人生が単調で何もない、などということは決してない」という主張が見え隠れしているように感じる。
「俺たちに明日はない」「あなたの知らない世界」といったレトロなアイテムが登場して、いつものノスタルジー世界をも想起させる。
「本日、サービスデー」の鶴ヶ崎さんのような、平々凡々な日々を過ごしている方が読むと、明日はきっと何かあるかも、と刺激になり、未来に希望が持てるようになるだろう。そう、あなたにとっては、明日こそが「サービスデー」かも知れないのだから。
朱川湊人氏といえば、直木賞受賞作『花まんま』や、『都市伝説セピア』などによって、ホラーなのに懐かしさや物悲しさを感じさせる「ノスタルジックホラー」の名手として知られる。この中短編集も、ジャンルとしてはホラーになるだろうが、ごく普通の日常を舞台にしながらも、ちょっと変わった非日常を見せてくれる。いつの間にか奇妙な世界に連れて行かれたような感覚だ。語り口も今回はユーモア性を前面に出しているため、登場人物たちの言動が妙に可笑しかったりする。
表題作の他に収められているのは、
人の死にまつわる品々を「品評」する謎のクラブ......「東京しあわせクラブ」。
バイト先の先輩が同居している、るり子という名の「右手だけの幽霊」......「あおぞら怪談」。
兄貴を見返してやるためにザリガニと格闘する......「気合入門」。
自殺した少女が三途の川で次々と見せられる、未来に出会うはずだった"未来ゴミ"の数々......「蒼い岸辺にて」。
の、計5作品。
見せ方は様々だが、全体を通して「人生が単調で何もない、などということは決してない」という主張が見え隠れしているように感じる。
「俺たちに明日はない」「あなたの知らない世界」といったレトロなアイテムが登場して、いつものノスタルジー世界をも想起させる。
「本日、サービスデー」の鶴ヶ崎さんのような、平々凡々な日々を過ごしている方が読むと、明日はきっと何かあるかも、と刺激になり、未来に希望が持てるようになるだろう。そう、あなたにとっては、明日こそが「サービスデー」かも知れないのだから。




