11月10日(金)
11月21日搬入の新刊『総天然色の夢』事前注文〆切日。
この本は、一言でいうと著者仙田弘さんの編集者青春記と言っていいのか。でも、そんじょそこらの編集者と違うのは、なんと仙田さんはエロ雑誌の編集者、それもまだSMという時代が今のように一般に浸透していない70年代に、そのSM雑誌を創刊させた人なのである。その頃の悪戦苦闘を綴ってもらったのが、この『総天然色の夢』。ひとつの青春記として、また出版文化史として、そして風俗史とし読んでも面白い。うっ...、つい営業語りになってしまった。
さて、この本を営業するのが、ちょっと難しいというか、恥ずかしい。
お客さんがたくさんいる書店さんで、「11月の新刊なんですけど、SM雑誌のですね...」なんて説明するのが、とにかく恥ずかしい。SMとか縄師とかモデルとか、そんな言葉を出さないと、どうしてもうまく内容が伝わらない。でも人が大勢いるところでそんなことを話すのはやっぱり恥ずかしい。で、思わず声をひそめて小声で話しているともっと怪しくなる。おまけに、すでにゲラを読んでいる僕は妙にその業界に詳しくなってしまっている。説明すればするほど、「杉江さんってもしかしてそっちの人なの?」なんて目で、書店さんから見られているような気がして仕方ない。ああ、とにかく恥ずかしい。
ある意味、本の雑誌社に入社して以来一番営業の難しい本だった...。この本からいきなり、本の雑誌社がエロ系雑誌社に変わる...なんてことになったら、いったい僕はどうしたらいいのだろうか。なんてうぶなフリをしているひとり営業マン。
〆切日ということで、電話と足を使って営業をする。今はすごくテンションの上がっているときなので、かなり勢いが出ている。ガンガン営業する。まあ、いつも最後に帳尻を合わせる悪い癖か...。
どうにか〆の作業を終えると張りつめていたものがフッと切れて深い安堵のため息。インドから帰国した助っ人の横溝くんが、久しぶりにバイトに来ていたので、無事を祝して、飲みに行く。助っ人の矢野さん、池木くんも交え4人。
今日は一仕事終えているのでガンガン飲もうと思ったら、みんな9時過ぎにはあくびをし出したので仕方なくお開き。淋しいもんだ。