WEB本の雑誌

12月18日(月)

 搬入したばかりの『おすすめ文庫王国』が鋭い売れ行き。担当の金子が不眠不休で編集したかいがあったというもの。
 早速まとまった注文が入ったので直納へ。年末のこの時期は、取次店さんを通しての搬入だと年内に書店さんへ届くのか不安なため、極力持っていける範囲は自分の足で運ぶ。本日は横浜方面へ直納も兼ねて営業。

 関内のY書店本店でYさんと会う。店頭入り口平台の『このミス』のベスト展開とともに『本の雑誌1月号』と『おすすめ文庫王国』を面陳してもらっている。うれしいかぎり。年末になって単行本の売れ行きが良くなってきたことを聞く。文芸書の巻き返しなるか…。

 その後は横浜に移動し、東口Y書店Oさんへ直納。しばらくぶりの訪問にも優しく応対してもらい感謝。不思議なもんで、会えないときは、まったく会えないときが続く。ひと月に一度しか訪問することができないひとり営業マンにとって一度会えないと次は来月になってしまう。翌月も会えないと再来月…。それは営業にとっても大きな痛手であり、また、個人的にも「会いたい」と思って訪問しているのでとても淋しい。本日はやっと会えたので一安心。

 次はM書店のYさんのところに行き長話。
「この時期はどうしても毎日12時間くらい働くことになっちゃうのよね。」と言いつつも、それが愚痴にならず、仕事ならそれくらい当たり前、好きな本を売っているんだからいいんだ、という気持ちが伝わってくる。話を聞いているだけで、こちらまで元気になってしまう。

 どこの書店員さんも重労働、長時間勤務をこなしながら、接客に多大な神経をつかい、そして棚と格闘している。もっと売れる本があるんじゃないか?もっと売れる方法があるんじゃないか?もっともっと…そんな想いを胸に抱えながら仕事をしている。

 それは、この後に訪問した西口のY書店Mさんにも当てはまる。どう考えても、忙しくてどうにもならない状況のはずなのに、Mさんは笑顔で応対してくれる。今日も立て続けに各出版社の営業マンが出入りしていて、僕自身声をかけていいものか一瞬迷ってしまった。
 営業マンというのは、ある意味、書店さんの仕事の邪魔をするわけで、たかが10分としても、一日に10人の営業マンが訪れたら約2時間のロスである。もし、僕が訪問したせいで残業ということになってしまうようなら……と考えてしまうことが良くあって、でも、それを言っていたら僕の仕事は何もできないことになってしまう。なるべく状況を判断して営業しようと心がけている、が、久しぶりにお会いした喜びで、思わず話し込んでしまった…。

 横浜の地下街を出たら、クリスマス・イルミネーションが夕暮れの街並みに輝いていた。デパートの前には、多くの人が交錯していて、その足取りは浮き足立っているように見えた。

 僕は、ぼんやりと点滅する明かりを眺めながら、今一番僕にとって大切な物は、何だろうと考えていた。そして思いついたのは、これは一方的な想いだけれど、無意識のうちにいろんなことを教えてくれるYさんやMさんのような書店さんとのつながり。そしてもうひとつは、自分のことのように僕のことを考えてくれる仲間達。結局そんな人間関係が一番大切なんじゃないかと思った。

 僕も誰かにとって少しでも役立てる魅力的な人間になりたいと強く願った。