1月28日(水)
夕方営業から戻り、バタバタと事務作業をやっていると、浜田に声をかけられる。
「杉江さん、『シービスケット』観たくないですか?」
おお、『本の雑誌』の2003年ベスト10を決める時に顧問目黒と編集補助の石山が強烈にプッシュしてベスト1になった作品の映画か。確かにあの本は面白かったし、試写会を観た書店員さんが「すごい良かった」と興奮していた。僕自身、ここ10年くらい映画を観ていないから、たまには観てみたいという気持ちも湧く。
「観たい、観たい。タダ券でもあるの?」と聞くと
「いや、今日レディースデーで、1000円なんですよ。だから編集の松村と助っ人のあかえーと友達のイズミちゃんと観に行こうと思ってて。」
おいおい、それじゃ僕は正規の値段で、文字のどおり「姦」しい女どもに囲まれて観なきゃならないわけか。しかも友達のイズミちゃんって誰よ?
おまけにあの話なら、僕は間違いなく泣くだろう。そんな顔、見せられるか。
きっぱり断ると、浜田がつぶやく。
「映画観た後の飲み代を杉江さんに払わせようかと思っていたのに。残念!」