WEB本の雑誌

1月29日(木)

 会社に新兵器が導入された。
 ひとつは加湿器である。

 どうもこの四方をコンクリで囲まれた会社は、冷たいだけでなく異様に乾燥するようで、やたらと喉が乾く。なぜか編集部にはかつてから加湿器が設置されていたのだが、営業部にはなく、この差別を解消するため、肌をカサカサにした事務の浜田が立ち上がる。彼女が叫ぶとなぜがすぐに購入が決まるのが、本の雑誌社7不思議のひとつ。

 通販カタログを熟読し、オーダーしたのが「ヴェポスチーム」。風邪の時に胸に塗るあの薬の会社が作っているらしい。水を入れ電源をオンにすると、ほのかに甘い匂いが社内を包む。なぜか社員全員で加湿器を取り囲み、その甘い匂いを嗅ぐ。小さな会社はほとんどドラマがないので、こういうときに盛り上がるしかないのだ。とりあえず、順調に作動し、その後は確かに乾きが解消された。

 新兵器・その2はプリンターである。

 営業で使っていたプリンターが長年の酷使のため、ついに寿命が尽きた。こういう電化製品の場合は浜田ではなく単行本編集の金子が担当になるが、とりあえず機械を開けないと気が済まない金子は、手を真っ黒にして無手勝流に修理をし出す。しかし誰が見ても、治しているというよりは分解しているとしか思えない。今回も部品がこぼれ落ちただけで、治りはしなかった。

 となれば前々から僕が欲しかったカラープリンターを導入するチャンスではないか。
「カラー、カラー、カラー」と叫ぶが誰も聞いてくれず、しかも営業に出ている間に、なぜか編集部のプリンターを営業が譲り受け、編集部に新型が導入されることが決まってしまった。なぜだ?!

 誰にも口出しも手出しもさせないまま、金子はプリンターを発注し、設置。
「ほらほら早いでしょ!」と興奮しれ叫び、異様に喜んでいるではないか。
 僕は遅くても良いから、カラーが欲しかったのに。そうつぶやくと「家で買えば」だと。うーん、いつか……。