2月19日(木)
神保町を営業。
三省堂書店さんをうろついていると4階の一角から異様な妖気が発せられていた。いったい何じゃ?と近づいていくと『岡崎武志 古書遊覧』と称した古本のフェアであった。
いや古本のフェアといっても何も古本を題材にした書籍を集めたフェアというのではなく、そのものズバリ古本を売っているのだ。バーゲンブックならいざ知らず、新刊書店で本当の古本を売るというのは珍しいのではないか。
そのフェアに並んでいる商品は古本屋さんから提供してもらっているそうで、そのなかには、僕が集めているあるシリーズものが格安で並んでいた。しかしいったいどれがまだ持っていない本なのかがわからない。でも買わないと買われてしまうかもしれない、どうしよう。散々悩んだが後日再訪することにした。頼むぞ残っていてくれ。
次に訪問したのは東京ランダムウォーク神保町店。言わずもがなではあるけれど、洋書と和書を融合したまさに血の通った棚作りを展開されているお店だ。担当のYさんやWさんと話しているとお客さんが「この近くに郵便局ありますか?」と質問される。Yさんが親切に郵便局の場所を教えるとそのお客さんは小走りでお店を後にした。するとYさん、僕の顔を見て「しばらくすると戻ってくると思いますよ」と笑っている。
えっ?どういうこと?と不思議に思っているとその郵便局の場所を聞いたお客さんが本当に戻って来て、大切そうに1冊の写真集を取り出した。もちろんレジへ。
どうしても欲しい本に出会ってしまって、でもお金がなかったということか。それにしてもお金をおろしてまで買おうと思われる本、あるいはそういう本が並んでいる本屋さん、なんて素敵なことだ。
また、この日訪問した東京堂書店ふくろう店さんには、坪内祐三さんの棚と鹿島茂さんの棚というのを発見。どうもお二人が気に入っている本が並んでいるようだ。
丸善御茶ノ水店さんではとあるコーナーから力強いエネルギーが発せられていて、ムムムと近づいていくと人文書の新刊棚であった。これはなんだかスゴイ…と唸りつつお話を伺ってみると、あるベテランの担当者さんが並べているという。
そしてとどめは、帰り際に時間があったので、エリアを無視して立ち寄った紀伊国屋書店新宿南店さん。いきなり一番目につくところに、ドカーンと積まれていたのは白石一文さんの新刊『見えないドアと鶴の空』(光文社)で、そこに設置されていた手作り看板とコメントが、とにかく読んで欲しいという気持ちが素直に伝わってくる素晴らしいものだった。
もしかして本屋さんって、かなり面白くなってきてるんじゃない?