WEB本の雑誌

2月24日(火)

 書店店頭は「芥川賞」フィーバーが『文藝春秋』フィーバーを呼び、そして今度は『ドラえもん』フィーバーに突入しているようだ。

 20日に小学館から発売となった『藤子・F・不二雄★ワンダーランド 僕ドラえもん』の創刊号が軒並み品切れ、当日完売のお店が続出している。本日訪問した銀座でも、ほとんど売り切れの状態で、いやはやドラえもん人気恐るべしである。

 そんなことを考えつつ銀座をふらついていてふっと感じたのは、ここまで人気での有り続ける作品というのは文芸書であるだろうか?ということだ。たとえば芥川龍之介や太宰治や三島由紀夫などの作品がそれに当たるのであろう。しかし、今書いている作家の作品でそこまで残りつづけるものはあるのか。

 こればっかりは時が経たなければわからないけれど、残るための器であったはずの「文庫」が、単なる「廉価版」になりつつあるのを考えると非常に難しいような気もする。そういう名作はオンデマンド出版やネットで読むものになっていくのかもしれない。

 その文庫すら持たない出版社としては、とにかく単行本を長く大事にしていくことを考えなければいけないのだが、日常の営業際、どうしても新刊に重点をかけてしまう。業界紙ではもっと既刊本に営業力を注ぐべきだなんて記事があったし、僕自身も反省している。この辺は、今年の僕自身のテーマにしている。

 それにしても、いつまでも読み継がれる作家だと考えている芥川龍之介だって、本日書店員さんに聞いた話では「若い子が芥川ナオキの本ください」と『文藝春秋』を買いに来るくらいだから、もうすでに読み継がれているわけではないのかもしれない。

 いったい10年後の書店の棚というのはどうなっているのであろうか? まったく想像が付かない。