WEB本の雑誌

4月9日(金)


 次から次へと仕事が湧いてくる。
 発表を間近に控えた『本屋大賞』の終わりなき事務作業。『増刊 本屋大賞2004』の営業と〆。郵便物の仕分けに、机拭きに、コーヒー入れ。その他諸々。

 それをまるでモグラ叩きのように処理しているのだが、同じ穴からまたモグラが顔を出し、叩いても叩いても尽きることがない。ゲームオーバーは多分来週15日に行う発表会になるだろう。ああ、あと一週間はこんな調子で続くのだ。

 ただ、忙しいのは別に良い。そもそも仕事があるから給料をもらっているわけだし、超零細な町工場経営27年の父親は酒を飲むたび「仕事で一番つらいのは仕事がないことだ」と呟いていたし。あの眉間に刻まれた深いシワを思い出すと、それは正しいんだろうって気分になる。

 とにかく叩いて叩いて空振って、一日があっという間に終わっていく中で、僕が今一番心配なのは、4月15日以降なのである。9,11以降に世界は変わったが、僕にとってはきっと4,15以降に世界が変わりそう。このトコトン、イちゃってる躁状態が終わった後、いったいどこまで落ち込むのか。

 多分相当落ち込んで、真っ白なあしたのジョーになって、完全無気力な高校時代のときみたいに、登社拒否にでもなってしまうんじゃないか。もしくはこっそり浜本の机に退職届なんて置いちゃって、その後、一家でどうするどうする?なんて展開になるんじゃないか。ああ、怖い。

 そんな僕を気遣ってくれたのか、あるいはただただ無計画なだけなのか、来月は新刊をお休みにしてくれた。ならばこのままハワイにでも行って、プールとビールの2週間なんていうのはどうだろうか? しかしその予算、家族合計約50万。そんな金があるなら、浦和レッズのアウェーに行ってるわ。

 そういえば超零細な町工場経営27年のダンナを持つ我が母親の座右の銘は「やっぱりお金がなきゃ何もできないのよ」だった。