WEB本の雑誌

4月10日(土) 涙のサッカー日誌


 究極の選択。
 浦和レッズを取るか? 家庭を取るか?
 朝から夕方4時まで、延々この選択に悩み続ける。

 というのも昨日から突然娘が体調を崩し、吐くわ出すわで大わらわ。本日、朝イチで病院に連れて行った結果は「ウィルス性胃腸炎」とのことで、そういえば近所の子も数日前体調を崩したと聞いていたのだ。ああ。

 そんなわけで病院から帰って薬を飲ませたが、娘は青白い顔でぐったりしており、ときたま「お腹が痛い、お腹が痛い」と涙をボロボロ流す。もっと小さいときは、いきなり吐いたり、ゲリして、それでもただただ泣くだけで、そのときは「どこが痛いのか教えてくれれば」なんて思っていたのだが、いざしゃべるようになりその痛みを訴えられると、今度はどうすることもできない自分がひどく悲しくなる。思わず医者になろうかと真剣に悩んでしまった。

 何度も何度も体温計で熱を測る。少しでも良くなる兆しが見えたら、サッカーに行こうとこのサッカーバカのオヤジは考えていたのである。しかし37度が38度になり、あっという間に39度を越えてしまう。うう。

 それでも妻は、サッカーに行かない旦那の方が、身体どころか頭を壊すと考えたようで「いいから行ってきなよ。どっちみちあんたいたって治る訳じゃないなんだから」と優しい言葉を投げかけてくれる。しかししかし。夫婦というのは、営業と同じというのが僕の持論であり、その甘い言葉にのってサッカーに行こうもんなら、その後の取引に問題が発生するのは間違いない。何せ、こちとらまだ5月9日の新潟遠征を打ち明けていない身なのである。

 浦和レッズを取るか? 家庭を取るか? の究極の選択に、もうひとつ大きな究極の選択が加わる。駒場の神戸戦を取るか? 新潟の新潟戦を取るか?

 果たして本日、10時間近く悩み続け出した結論は、引いて押す。まさに営業の鉄則だ。
 ああ、それにしても昨日朝7時に前日抽選まで行っておきながら、試合を見られないなんて信じられない。でもでも、娘よ、とーちゃんは、サッカーよりお前を取ったぞ!!!