7月13日(火)
『新宿のお嬢』の連載でお馴染みのながしまさんのお店(山下書店新宿店)に顔を出し、『バッテリー』話。僕自身、久しぶりにこんなに熱くなれる本に出会えそれだけで幸せなのに、目の前にその本をこれから思い切り売ろうとしている人がいるのだ。いやはや幸せ過ぎる。というわけで思い切り長話。
ながしまさん曰くこういう本を売るときにネックになるのは、分類コードにあると指摘される。
たとえば通常POSレジを通して『バッテリー』を販売した場合、1巻と2巻を文庫で購入されれば文庫の売り上げに、そして3巻から5巻を単行本で買った場合は、児童書の売り上げにカウントされていくのだそうだ。
こんなもの読者から見たら、全体で売上があがるなら関係ないじゃないかと思われるだろうが、そこそこの大きさのお店では、それぞれジャンルによって担当者が分けられており、そのジャンルごとに予算(売上目標)が設定されているのだからジャンル分けは大問題なのである。自分の管轄の棚には自分のジャンルの本を置き、1冊でも多く自ジャンルの売上が上がることを望むのは当然のことだろう。
たとえば9月に出る『ハリーポッター』。これだってPOSレジを通して分類していけば、児童書の売上にカウントされていくわけで。だからどんなに売れようと他ジャンルの担当者書はあまりうれしい顔をしないし、その置き場所が自分の担当の一番良いところだったりすると「どうせどこに置いても売れるんだから、あそこは空けて欲しいのよ」なんて声が上がってくる。また出版社側もその辺の考慮して、一般書の平台で本を売りたいときは、分類コードをあえて文芸の売上になるように変えてくるところもあるほどだ。
その辺の理由があって、『バッテリー』も文庫は文庫、児童書は児童書で展開しているところが多いのだろう。
しかしそれは読者にとってまったく利益にならないことである。あの本を2巻まで読んで我慢できる人はそうそういない。現に本の雑誌社の社員だけで、3巻~5巻が4セットあるし、当ホームページの運営担当者も結局単行本で買い揃えたと話していた。
そして今、現に『バッテリー』を読み出したのは、いわゆる普通の本読みであろう。ならばここで立ち上がるべきは、文庫担当者でも、児童書担当者でもなく、文芸書の担当者なのではないか。ぜひぜひ、他ジャンルではありますが、この『バッテリー』を文芸の平台でドーンと揃えてあげてください。ほんとにほんとに面白いんです。
ちなみに、ながしまさんは文庫担当でも児童書担当でもなく、コミックの担当なんです。だから当然今後ながしまさんのところで始まる『バッテリー』フェアの売上は、ながしまさんの成績とは関係ないんです。これを愛と言わず、なんと言う。
みなさん、ぜひこの半年、『バッテリー』で熱くなりましょう!(来年1月に最終巻が出るとのことです)