WEB本の雑誌

9月8日(水)


 早起きは三文の得のはずが、とんでもない事態発生。
 
 妻の入院騒動以来、早起きの癖がついてしまっているので、ここのところずーっと8時半には出社している。(ちなみに本の雑誌社の始業時間は10時)誰もいない会社で、ぼんやりコーヒーを飲み、デスクワークをするのは、それはそれで落ち着いてモノを考えられたりするので、この早めの出社自体は気に入っている。

 本日は朝早くからフェーン現象のせいか妙に熱気のこもった暑さのなか出社すると、会社の前に一台のトラックが止まっていた。うん? 本日の予定を頭のなかで思い出す。今日は『本の雑誌』10月号の搬入日だ。えっ! もしかして、もう来ちゃったの?

 あわててトラックに駆け寄り、運転席を覗き込む。「本の雑誌?」と確認すると「そうだ」と深く頷かれる。しかし、どんなに深く頷かれたって、ここには僕と運転手さん以外いないではないか。もしかして二人でこの数千冊の本の雑誌を運び込むの? 勘弁してくれ。でも、この後一番早く来る社員は浜田だけど、それだって9時半頃だからまだまだ1時間はかかるそ。それに運転手さんだってこの後別のところへ行くなどの仕事があるだろう。やるしかないか…。

 いつもは浜田と小林と、編集補助の石山と助っ人の及川君の5人で運んでいる『本の雑誌』をたった二人で運び込むこのツラさ。中1階のフロアに運びあげるには、11段の階段を駆け上がらなければならず、しかも気温がぐんぐん上がっているようで、汗が噴き出てくる。『本の雑誌』をぬらしてしまってはどうしようもないので、ネクタイを外し、タオルを頭に巻いて何度もトラックと会社を往復する。

 しばらくするとランナーズハイじゃないけれど、何だか妙に楽しくなってくる。元々こういう仕事が好きだし、身体を動かす仕事というのは、心にもいいもんだなと感じていた。約20分かけてすべての『本の雑誌』を運び込んだときの達成感は、日頃の実態のない仕事とは大違いだった。
 
 その後、通常の出社時間となり、浜田、及川、石山が会社の扉を開けるたびに、すでにそこにある『本の雑誌』におののき、感謝の言葉を投げかけてくる。いや、今回は製本所が早く持って来ちゃっただけだから仕方なかったんだよ。

 そう返しつつも、まったく悪びれず、運び込まれているのが当然だと思って11時過ぎにやってくる編集部の面々、しかもすっかり搬入日なんて忘れている人間には、フツフツと怒りが沸いてくる。お前らなぁ、月に一度10時前に出社するのがそんなに大変なことか?

 それに本作りというのは、下版日が仕事の終わりの日でなく、そこからが本当の戦いなんだぜ。搬入があって、お店に並んで、市場というお客さんの前に出て、それで売れて増刷がかかったり、あるいは売れずに返品になって泣く泣く断裁して……。そうやってなぁ、いつまでも終わりがないもんなんだぜ。

 ああ。ひとりで運び込んだことより、こんな状況に疲れてしまう。ああ、嫌だ嫌だ。ふー。