WEB本の雑誌

9月30日(木)


 夜、ジュンク堂書店池袋店にて、編集長椎名誠のトークショー。

 椎名といるといつも思うのだが、椎名は僕にとって、まず上司なのである。上司だから僕はここでいつも椎名と呼び捨てで書いているのだ。だから、常に上司と部下という感じで話をし、接している(つもりだ)。

 しかし当然もちろん、椎名は作家である。(この日のトークショーもとっても大勢の人が申し込みがあったそうだ。抽選に洩れた方、申し訳ございません)僕もそのほとんどの著作を読んでいて、『哀愁の街に霧が降るのだ』や『あやしい探検隊』シリーズや『バタゴニア』や『アド・バード』が大好きだ。この会社の試験を7年前に受けたのは(おう!ちょうど7年前の今日だ!)たぶん椎名誠への憧れが強かっただろう。

 だから最初のうちは、椎名を作家・椎名誠として見つめていた。しかしそれだでは当然仕事にならないし、椎名も嫌がる。だから今ではすっかり上司として椎名を見、接する癖がついたのである。

 しかししかし、この日のようなトークショーに立ち会うとその関係性が思い切り揺らいでしまう。どこの会社に45日間も南米を旅し、カウボーイ(呼び方が違った)になって馬に乗っているなんて上司がいるというのだ。しかもその話がとっても面白くて、それは作家らしい世界観ってことなんだろうけれど、思い切り笑わされたり頷かされたりするのだ。うーん、カッコ良すぎて、とても上司の悪口で盛り上がるなんてことがない。

 1時間30分のトークショーにきっちり勝負をつけ、椎名は大きな背中を見せながら池袋を後にした。その手には事前に入って随分長い間各所の棚を徘徊し購入された本が抱えられていた。