WEB本の雑誌

10月7日(木)


 東横線を途中下車で営業しつつ、夕方横浜へ。

 混み合い出す時間帯だったので、気が引けたのだが、『コバルト風雲録』の事前注文〆が近づいているのと、月に一度この横浜の書店さん群を訪問するのが楽しみなので、腰を引かせつつも我を通す。どうもスミマセンです。

 そんななかの営業でうれしかったのは、顔を合わす書店さん書店さん「今年は何に投票しようか悩んでいるんですよ」との言葉をかけられたこと。もちろんこれ、『本屋大賞』の一次投票のことなのであるが、いやはや皆さん本気です。

『本屋大賞』はたぶん成功した企画なんだろう。
 そして、その成功実績が『博士の愛した数式』の売れた部数で語られてしまうのは仕方ないことなのだろう。

 しかしもっと内側の、実行委員お手伝いとして立ち上げ期から覗いてきた僕としては、あるいは毎日書店員さんと接している営業マンとしては、売れたことはよりも「書店員の投票によって選ばれる賞」が現実に出来たことと、今回この横浜の書店員さん達が話しているような気持ちが生まれたことがとても大切なことだと思う。

 あるいは、また、ひとつの例であるけれど、後日この横浜の書店員さんのお一人から頂いたメールでは、本屋大賞の投票がきっかけで、社内の他支店の人間同士でコミュニケーションが取れるようになり、本の話ができるようなったと。そういうひとつひとつが本当に『本屋大賞』の良さなのではないか。

 荒木との議論で「売れることの大事さ」を訴えてきた人間がこんなことを言うのもなんだけど、本や雑誌にはそれと同じくらい別の意味で大事なこともあるのは当然理解している。

 そしてこの『本屋大賞』という企画も、まさに「売れること」と「もっと目に見えない書店員さん自身にとって良いこと」ということが両輪になっていると思うのだ。もしそのバランスが崩れるようなことがあり、「売ること」が先行してしまったら、この企画は「印刷された手書きPOP」のようなものになってしまうだろう。

 実は、そんな心配を抱えつつ、第2回目に向けての会議を重ねて来たのだが、取り越し苦労だったようだ。何せこの書店員さん達の楽しそうな顔、これがあれば大丈夫だ。