10月8日(金)
「ウプッ」
「オエッ」
向かいに座っている浜田が、朝から奇声をあげていた。不振に思ってのぞき込んでみると、顔面蒼白で口元に手を当てていた。
「どうした?」
「二日、オエッ」
「えっ?」
「酔い、ウッ」
二日酔い? そういやたしか昨晩、物好きな女性編集者が、目黒考二の誕生日を祝う会という不思議な飲み会を主催し、本の雑誌社から浜田・松村・荒木の3人が出席するって言っていたっけ。そこできっとまた興奮して飲み過ぎちゃったのね。
「何時まで飲んでたの?」
「サンヒ」
どうもまだ根本的に酔っているようだ。
「大丈夫?」
「ダメれす…。帰っていいですか?」
「ダメれす」
実は浜田、二日酔いで早退の前科があるのである。
そうこうしているうちに、昼飯の時間となった。
まさかこの状況で昼飯なんて食わないだろうと思っていたのが、しっかりファミリーマートに行ってソバを買ってきた。ズルズルズル。何食わぬ顔をして食ってやがる。
そして午後になったら、なんと元気になっているではないか。
「もしかしてお腹空いていただけかも…」
思わず机の下で拳を握りしめてしまった。