4月3日(火)
第4回本屋大賞発表まであと2日。
発表会会場に送る荷物をまとめていると、しばしばテレビ局からの問い合わせで中断させられてしまう。取り上げていただくのは大変うれしく、そして光栄なのだが、どうしてこうもギリギリで連絡してくるのか。そして去年の写真を送ってくださいとか、突然言い出すのか。出版業界もかなりルーズというかドタバタの業界だと思っているが、テレビというのはもっとバタバタしているのだと思い知る。
そういうバタバタから逃げだそうと、こっそり営業道具をカバンにつめていたら事務の浜田に見つかってしまった。
「どこに行くんですか?」
文章で書くと何気ない問いだが、ここは出来れば太ゴシック体でかなり級数もデカイ文字だと思っていただきたい。そして僕の言葉は細明朝体の目をこらさないと見えないような小さな文字だ。
「えっと営業だけど……」
「営業? この状態で外に出ようっつうんですか!」
「あっ、でも本屋大賞だけがうちの本じゃないし」
「そんなこたぁわかってますよ。じゃあこのいろんなところから入る問い合わせはどうするんですか」
「それは、えーっと、浜本さんに……」
と浜本の机を見ると、いつの間にか消えている。どこに行ったんだ?と松村に聞くと2時間前くらいに床屋に行くといって出かけましたが、とのこと。うーむ、うわてがいたな。。
結局カバンを机に戻し、僕は囚われの身となる。嗚呼、あと二日の辛抱だ。