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4月5日(木) 本屋大賞発表!

 第4回本屋大賞は『一瞬の風になれ』佐藤多佳子著(講談社)に決まりました!! 本屋大賞史上初の全3巻ものですが、読み出したらイッキ読み間違いなし、というか読み終わるのがつらくなるほど面白い小説ですので、未読の方はぜひ!

 またすでに読み終えている方は、この機会に再読を。僕は昨夜、興奮のあまり眠れなかったので再読しました。そしてまた目の前に広がるトラックを一瞬の風となって駆け抜けました。本当に面白い小説です!

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 というわけで発表会。3時に会場である明治記念館に集合し、実行委員と有志書店員さん、それと小社助っ人部隊で会場の用意。僕は当日になると全体チーフという役割を与えられるのだが、これは実はほとんど何もやることにない名誉職のようなもので、インカムをつけてフラフラしていればいいだけなのだ。この日も結局インカムで出した指示はひとつだけ。「会場の温度を下げてください」

 というかよく考えたらこの1年大したことをしておらず、もはや本屋大賞は僕なしでも充分動くだろうし、元々僕は実行委員の書店員さんの連絡先を知っていただけの人間だから、本屋大賞での役割なんてないのだ。そのことが4回目にしてしっかり理解できた。が、それでもこれはやっぱり僕の子供だと思う気持ちはあって、だからこそ誰もが面倒がるような裏方の仕事を今後も続けて行きたい。というかどんな仕事より、本屋大賞は楽しいんです。

 そんなことをぼんやり考えているうちに開場となり、多くの書店員さん、多くの出版社の方々、そしてノミネート作家の森見登美彦さん、有川浩さん、万城目学さんが来場され、そしてそして壇上には佐藤多佳子さんがいて、という発表会がスタートした。

 昨年同様、僕は舞台の袖裏に立って、舞台補助の鉄平やアマノッチを見つめていたが、二人はまったくノーミスで発表会を終える。良かった良かった。

 歓談の時間では作家さんを囲む書店員さん、書店員さんを囲む出版社の方などでごった返すが、本屋大賞の発表会は、なぜか笑顔だらけで、この場でいるだけで幸せな気分になれ、そして明日から仕事を頑張ろうと思えるのはなぜだろう。それはおそらくここにいる人がみんな本が大好きだからなのではないかと思うのだがどうだろう。

 それと印象的だったのは初めていらした出版社の方が、口々に「本屋大賞ってこんなすごいことになっているとは思いませんでした」と話されていたことだ。そうなんです。事件は現場で起こっているんですよ、なんて。

 どっちにしても本屋大賞は、大きくなることも成長することも別に望んでいない。ただできるかぎり継続していきたいとは思っている。鬼が笑うかもしれないが、すでに実行委員は来年のことを打ち上げで話していた。良いアイデアがありましたらメールください。

 とにもかくにも佐藤多佳子さんおめでとうございました。

 それから応援していただたユーキャンの皆様、日本図書普及の皆様、各出版社の皆様、ありがとうございました。