6月20日(水)
起きるのが嫌なほど暑い。6月でこれではこの先どうなるのだろうか。
通勤読書は昨年以来ハマっている吉村昭の『間宮林蔵』(講談社文庫)。まったくこの著者のまるでその場にいたかのような描写力、そして史実を丹念に取材する力に思わずひれ伏してしまう。僕は探検物が好きなので、前半部の樺太探検部分に猛烈に興奮したが、後半部の隠密行動なんて学校では習っていなかったので、というか学校に行っていなかったので、驚きの連続。ああ、面白い。
問題はこの次に何を読むかで、僕の未読棚には候補が3点あったのだ。
まずは林蔵の師匠でもある伊能忠敬の生涯を描いた『四千万歩の男 1〜5』井上ひさし著(講談社文庫)。探検・地図繋がりであるし、やっぱりこれはいつか読まなきゃいけない本だろう。しかし今、全5巻なんて読めるだろうか。
第2候補は新刊時に高くて買えず、文庫になるのをずっと待っていた『静かな大地』池澤夏樹著(朝日文庫)。時代的にはズレるけれど、蝦夷地繋がりで読みたいところ。
そして最後の候補が、やっと復刊された『文政十一年のスパイ合戦 検証・謎のシーボルト事件』秦新二著(双葉文庫)。これは北上次郎氏にオールタイムベストを頼むと必ず挙げていた1冊で、しかし僕が気づいたときには文春文庫版は絶版で、いつか読みたいと願っていたのだ。それが今回、双葉文庫の「日本推理作家協会賞受賞作全集73」として復刊されたのだ。
『間宮林蔵』のなかでも後半部はかなりシーボルト事件について書かれるのだが、実はそのシーボルトと間宮林蔵が会っていた! なんて資料が出てくる話だそうで、北上次郎氏の力のこもった解説の最後の部分を引用すると「本書は超面白歴史読み物であり、一級のミステリーであり、ひらたく言えば珍しいほど知的興奮に満ちた書だ。こういう本はそうあるものではない。本書は第46回の日本推理作家協会賞・評論その他の部門賞を受賞したが、それも当然の結果と言えるだろう。超おすすめの一冊だ!」
そこまで言われたら読まねばならぬ、というわけで、次本は『文政十一年のスパイ合戦 検証・謎のシーボルト事件』秦新二著(双葉文庫)に決定し、今年初めての聖地・駒場スタジアムへ向かうのであった。