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5月12日(月)

「アンタ! サッカー行き過ぎだよっ!!」

 結局消え去るように土曜日が川崎へ向かい、その翌日の日曜日が自分のサッカーに出かけ、フラフラになって戻った自宅の玄関を開けたところで、大きな声で怒鳴られた。

「ご、ごめんなさい」

 思わず頭を下げたその向こうに、仁王立ちしていたのは妻ではなく、7歳の娘だった。

「ほんとさ、いい加減にしたほうがいいよ。土曜日だけならまだしも、今日もでしょ。まったく、あたしはパパとカーネーション買いに行こうと思っていたのに」

 妻と同じ口調でプリプリしながら2階に上がっていたのであるが、その姿はもはや妻そのもの。そして2階にはもっと恐ろしいホンモノの妻がいるわけで、しかも僕は母の日なんていうのもしっかり忘れていたもんだから、もはやどうすることもできない。レッズの勝利も、サッカーで3点取った喜びもすっかり消え去り、閻魔様の判断を仰ぐ列に並ぶのであった。

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通勤読書は『聖域』大倉崇裕著(東京創元社)。2時間ドラマの原作にピッタリな山岳ミステリー。

ロックな本特集の「本の雑誌」6月号の搬入を終えてから新宿を営業。

昼、いったん会社に戻る。戻ったのは何も女子学生が3人もアルバイトに来ているからでなく、当WEB本の雑誌の会議のため。

会議終了後、改めて営業に向かう。出入りが忙しいのだが、5月の新刊『どうして僕はきょうも競馬場に』亀和田武の事前営業〆切日が近づいているので、時間が惜しいのだ。

南口K書店を訪問すると、担当のSさんから「もう読みました? すごく良いんですよ!!」と『食堂かたつむり』小川糸(ポプラ社)を薦められる。実は読もうと思ったときにはすでに北上次郎が読んでいて、しかもその後、王様のブランチで取り上げられベストセラーになってしまったのでもういいかと思っていたのだが、金城一紀や西加奈子など本の趣味が合うSさんに薦められたら読まないわけにはいかない。帰りに購入す。

その足で、中井の伊野尾書店さんを訪問し、先日行われた、業界初、そして今後も誰もできないであろうイベント、本屋プロレスの話しを伺う。なんと『俺たち文化系プロレス DDT』(太田出版)の発売を記念して、本屋さんの店内でプロレスをしてしまったのだ。

当日の映像を見させていただきあまりの迫力とまさに“プロレス”に感動する。そういえば先日プロレスファンなら読まないとと西加奈子の『こうふく あかの』と『こうふく みどりの』(共に小学館)を伊野尾さんに薦めておいたのだが、両著作とも大変気に入っていただけたようでうれしい。……って本の雑誌社の本じゃないんだけど。

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