5月13日(火)
ゲラを持って宮田珠己さんのところへ。本誌の連載もそうなのだが、スットコランド日記も大変面白く、毎回原稿が届くのが楽しみなのである。しかしあまりに宮田さんの原稿が面白いので、この日記を書くのが実はつらくなっていたりする。まあプロとアマチュアで比べる必要はないんだろうけれど、クリスチアーノ・ロナウドと一緒にサッカーをしているような気分である。
打ち合わせを終えてから、京王線を営業。調布のリブロさんで、矢部さんの連載の話。現在の店長のTさんは当時、広島のパルコブックセンターにいらしたのだが、部数はともかく、やはり渋谷のパルコブックセンターで売れていたものが、広島でもしっかり売れていたそうだ。印象に残ったのはこの言葉。
「出版社と書店員とお客さんの3者の協力というか、想いが一緒になるのが大事なんですよね。出版社の協力がなければ本は来ないし、書店員が独りよがりでこだわりの棚を作っても売れなければ仕方ない。やっぱりお客さんに合わせてお店は作らないといけないです。最近は数字を追う方にどうしてもいっちゃいますけど、でもやっぱりどこか遊びを残しておきたいですよね」
遊びといえば、同じ調布のS書店さんも入口の面陳台で、昭和フェアを並べているところで、その手の雑誌を中心にサザエさんや写真集や昭和を感じさせる作家の作品を並べていた。
「もう少し経つと夏100とか並べなきゃいけないフェアが始まっちゃうんで、それまでの間、ちょっと面白いフェアでもと思って。」
こういう遊びというか、余裕のなかにこそ、本屋さんや本の面白さがあるような気がしている。