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5月21日(水)

 昨夜は、地方小出版流通センターのKさんにお誘いを受け、秋田の無明舎出版の安倍さんと酒を飲んだ。

 安倍さんといえば、佐野眞一の『だれが本を殺すのか』(新潮文庫)のなかで地方出版の代表として取材されており、そのなかのひとつひとつの発言がとても格好良かったので、実は密かに尊敬していたのである。

「うちの本作りは5年、10年スパンで考えているから、1冊1冊丁寧に作っている」
「良い本なんていうのはこっちが決めることじゃない。お客さんが決めること」
「出版という仕事の面白いところは、大手も中小も面白い本を作れば関係ないというところ。他の業種でこんなことは考えられない」
「本を作ると誰かが見ていてくれている。それが書評に上がったりどっかしら反応がある。それを信じてやっている」

 などなどもう出版人としてのというか、本とともに生きてきた男の魂の叫びが、バシバシ飛び出してくるではないか。

 ずっと話を聞いていたかった。

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