5月22日(木)
通勤読書は『ジャガイモのきた道』山本紀夫(岩波新書)。
ジャガイモ発祥の地、アンデスからどのように世界に広がっていったのか、そして今後の役割と非常に勉強になる1冊。こういう本は私のような無知な人間には大変ありがたい。
またこの本のあとがきで、著者がなぜジャガイモに関心を持ち、研究者になったのかというのが書かれており、そこで『栽培植物と農耕の起源』中尾佐助(岩波新書)という本が紹介されているのだが、こちらも俄然読みたくなる。
その後、リブロの矢部さんに、次の「坂の上のパルコ」の日程調整でメールし、何気なく『ジャガイモのきた道』が面白かったですよと書いたら、「ワタシはだいぶ前に出た文春文庫『野菜探検隊世界を歩く』池部誠著でじゃがいもは勉強したわよ〜。」とお返事をいただく。
うお! こちはジャガイモだけでなく、ナスやキュウリの原種の自生地を探索する話だそうで、それは私が今いちばん読みたいと思っていた内容の本ではないか。すでに品切れのようなので、古本屋で探そう。
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あとがきで指摘された本やあるいは参考文献、そして同好の士から本を教わり本を購入することがよくあるけれど、先日訪問した際、錦糸町のB書店Sさんが話していたことが頭から離れない。
「今、単行本がどんどん売れなくなっていて、でも文庫はまあ売れているでしょう。これって値段とかサイズの問題が当然あると思うんだけど、オレはあの表紙の裏に書かれている“あらすじ”が大事なんじゃないかと思っているんだよね。自分もそうだけどお客さんも文庫買うときあそこ読んで判断しているし、なんで単行本に“あらすじ”がないのか不思議だよね」
確かにそうなのだ。僕も文庫を買う際に、まずは“あらすじ”を読んで判断し、気持ちにGOが出たら目次や内容を見る。
しかしなぜかもっと値段の高い単行本には“あらすじ”がついていない。どちらかというと高い方にこそ、読者の興味を引くものを付けたり、親切にするのがほかのものでは当然だと思うが……。なんだったら解説を単行本に付けるというのもありなのではないか。
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なんてことを書くならまず自分で作る本でそうするべきなのだが、そこまで思い切れず、カバーの折り返しに著者略歴とともに著作リストを付けるに留まる。