6月18日(水)
朝、息子が新聞の折り込みチラシを見て「パパがいるよ」と騒いでいる。指さすチラシを見ると、パルコ浦和店の「浦和レッズ応援セール」のチラシであった。
そういえば息子には「パパの仕事はサッカー選手なんだよ」と伝えていたので、それを信じているのだろう。それにしても息子が執拗にある部分を指さすので、よく見てみると息子の指は、山田暢久を指しているのであった。
「これがパパ?」
「そう。パパ」
激しいムラっ気があることがすでにばれているのだろうか。
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通勤読書は、先日お会いした無明舎出版の安倍さんが薦めてくれた『かもめの日』黒川創(新潮社)。
これがどういう小説かというと、作中に出てくる作家が書こうとしている「それぞれの話が互いにどこかで有機的につながっている。そして、それらの全体が、この世界のような姿をなしている。」作品であり、永江朗さんが「本の雑誌」6月号で書かれているように「気分はグーグル・アース」のような作品であり、あるいは電車の車窓から見えるマンションの明かりの下で、どんな暮らしが営まれているか想像するような小説である。他人が他人でなくなる、美しい小説だ。
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常磐線を営業。
久しぶりに、おおたかの森のK書店さんを訪問すると、なんと以前笹塚店で散々お世話になったIさんがいてビックリ。こちらに異動していたのか。諸々懐かしいお話などしつつ、夜は船橋へ向かい千葉会へ。
その千葉会では、『ジョーカーゲーム』柳広司(角川書店)が、傑作と大騒ぎ。一緒に騒ぎたいのであるが、この本、8月の新刊で、ようは皆さんゲラで読み終えているのである。しかししかし、僕は当然まだ読んでないわけで、ひとりだけその話題に加われない。しかも宇田川さんが、結末を話そうとするからあわてて耳を塞ぐ。
飯嶋和一の待望の新刊といい、最近は書店員さんに、いろんな新刊のゲラが出回っているから、こちらとは、読書のタイミングがズレ、話が合わないことが多い。
まあ、ゲラが届いているのは一部の書店さんだけなのだが……。