打倒!本の雑誌!! 『とつげき!シーナワールド』編集部緊急コンニャロ対談 シーナとニシザワが吼える!!第3回「いやはや隊、そして雑魚釣り隊」

文=本の雑誌特派員

雑誌のタイトルも決まり、方向性もOK! では誰に原稿を頼むのか。今回は『飲んだビールが5万本!』の執筆者について、椎名編集長とニシザワデスクが語りあいました。(11月吉日。八戸の長横町れんさ街にて)

シーナ:おい、ニシザワ。


ニシザワ:はい?


シーナ:ビール、もう1本追加な。


ニシザワ:はいはい。ちょいと、おねーさん、ビールもう1本ね。


シーナ:(ビールを飲み干して)プァー。どころでよ、今回の『飲んだビールが5万本!』、プロとして誤字脱字を無くせよ。『ウースポ』はいい。あれはなんのかんの言ってもボランティアの趣味紙だから。それだって全国に熱心な読者がいるから、誤字脱字はいけないんだけどさ。


ニシザワ:おれ、いま、『ウースポ』の編集はノータッチなんですよ。でもいずれにしても了解です。この『飲んだビールが5万本!』は誤字脱字を極力無くすべく善処します。目標! 誤字脱字10ケ以内ッ!!


タケダ:えーっ?それでも10ケもあるんですか?


ニシザワ:おっ、なんだよ横から。じゃあお前も校正手伝えよ。


タケダ:無理ですよ。俺がガサツなの知ってるでしょ。自分の原稿だって読み返すのキライなのに。やっぱり書いた原稿って我が子と一緒で、突き放して独り立ちをうながすというね、そういう考えでね。


ニシザワ:なーにを勝手なことを言ってやがる。さてシーナさん、このタケダもそうなんですが、今回の『飲んだビールが5万本!』、大きな構成としては、野田知佑さんや沢野ひとしさん、中村征夫さんなど、みなさんご存知の「いやはや隊」の方々の原稿、それに加えていまの「雑魚釣り隊」の若い面々にも参画をしてもらいました。新旧取り混ぜというのは実ははじめての試みになるわけです。


シーナ:おー、そう言われればそうだねえ。


ニシザワ:「いやはや隊」は説明するまでもないのですが、今回は無名の「雑魚釣り隊」メンバーが活躍してくれています。編集担当の僕としては、やはり若い連中を売り出したいっていう思いがあります。シーナさんも先輩編集者の方々から見出されたのと同じように、「本の雑誌」などで編集者としてさまざまな人を発掘し、あるときはプロデュースし、売り出してきた歴史もあるではないですか。


シーナ:目の前にいるので口幅ったいけど、このタケダソウイチロウの原稿を最初に読んだ時に、おれは編集者の感覚で「あー、こいつは将来、書けるヤツだな」と直感的に思ったね。文章や視点にセンスがあるんだよ。それで今回、こいつはどんな原稿を書くのかは分からないけども、ほかの「雑魚釣り隊」のメンバーの原稿も実はものすごく楽しみにしてるんだ。タケダはすでにひとつの"鉱脈"なわけだけども、新しい才能を発掘できるかも知れないというね、その期待は大きいな。


タケダ:いいこと仰る。シーナ先生、まあもう一杯。飲んじゃってくださいよぅ。


シーナ:「いやはや隊」は全員、名の知れているプロ中のプロの集団なのでその原稿をファンは楽しみしてくれていると思う。けれど、どれくらいかは分からないけれども、「雑魚釣り隊」のメンバーの書く文章を読みたいっていうコアなファンも何パーセントかはいると思うんだよ。


ニシザワ:まあ、そうですね。読者100名いたら1~2名はいるかもなあ。


シーナ:そういう無名の「雑魚釣り隊」の連中のさ、いろんな可能性、要素を考えて大きな実験ができるっていうね、今回の試みは意味のあることだと思う。それでおいおい、そいつらの原稿に、よその媒体が目に触れてさ、オファーが舞い込んで......そうなれば、いずれ第二の群ようこや中場利一みたいなのも育つ可能性はあるよな。

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