浅井 博美の<<書評>>
神様からひと言 【光文社文庫】 荻原浩 定価 720円(税込) 2005/3 ISBN-4334738427
夜離れ 【新潮文庫】 乃南アサ 定価 460円(税込) 2005/4 ISBN-4101425396
女たちよ! 【新潮文庫】 伊丹十三 定価 500円(税込) 2005/3 ISBN-410116732X
オール・アバウト・セックス 【文春文庫】 鹿島茂 定価 590円(税込) 2005/3 ISBN-4167590042
チリ交列伝 【ちくま文庫】 伊藤昭久 定価 735円(税込) 2005/3 ISBN-4480420754
評価:B わたしは「チリ交」という略語さえ知らなかった。そういえばそんなおじさんがいたよな、という記憶はある。でも彼らの人生なんて考えたこともなかった。「チリ紙交換」を生業にしている人達のことなんて。 住居も保証人も経験も学歴も何にもいらない。身体一つで誰でも始められる。多いとは言えないかもしれないがその様な職業はいくらかは存在する。しかし「チリ交」には独特の魅力があるのだ。一人だけで仕事が出来る、場所も時間もある程度は自由、そしてなにより「書物を扱っている」ということ。それらを通じて古本屋の店主とのつきあいも出来る。小難しい顔をした翁だけが古本に関わっているわけではない。「飲む・打つ・買う」が何より好きでも、腕さえ良ければ信頼や尊敬を集めることが出来る愛すべき「チリ交」のおじさんたちが深く関わっていたのだ。今ななき彼らや、著者の古本屋としての生き方を読んでいると、古本は生き物であり、ロマンなのだな、などと考えてしまう。こんなことは大型新古書店や六本木ヒルズに籠城している長者たちには分からないのだろうな…。なんだかわたしが一番小難しい翁のようになってしまった。
カジノを罠にかけろ 【文春文庫】 ジェイムズ・スウェイン 定価 810円(税込) 2005/3 ISBN-4167661942
天使の背徳 【講談社文庫】 アンドリュー・テイラー 定価 1,000円(税込) 2005/1 ISBN-4062749750
レッド・ライト(上下) 【講談社文庫】 T・J・パーカー 定価 各650円(税込) 2005/2 ISBN-4062750007 ISBN-4062750015