久保田 泉の<<書評>>
フラグメント 【新潮文庫】 古処誠二 定価 580円(税込) 2005/5 ISBN-4101182310
白いへび眠る島 【角川文庫】 三浦しをん 定価 660円(税込) 2005/5 ISBN-4043736037
マラケシュ心中 【集英社文庫】 中山可穂 定価 650円(税込) 2005/5 ISBN-4062750910
バルーン・タウンの手毬唄 【創元推理小説】 松尾由美 定価 735円(税込) 2005/5 ISBN-4488439047
ヤスケンの海 【幻冬舎文庫】 村松友視 定価 600円(税込) 2005/4 ISBN-4344406486
結婚のアマチュア 【文春文庫】 アン・タイラー 定価 900円(税込) 2005/5 ISBN-4167661985
評価:C ストレートなようで、皮肉を込めたタイトルにドキっとする人は多いのでは。平 安寿子がこの作家に影響を受けて、小説を書き始めたと聞いた。さて、そのストーリーとは?壮絶でしたが今や普通ですか? 主人公の一組の夫婦、マイケルとポーリーンは、マイケルの一目惚れで結婚する。出会ったのは、日本軍が真珠湾攻撃をした頃にさかのぼる。そこからこの小説が追う時間は、60年に及ぶ!アツアツも最初だけ。すぐ二人は互いのアラを探し、喧嘩。ポーリーンの側から見れば、姑との同居から始まり、夫への尽きぬ不満、不倫への誘惑、三人の子育てに終われる毎日、娘は家出したまま、そして結婚30年を祝うパーティーで夫との確執がいよいよ(今更?)明らかになり、別居から熟年離婚へ。元夫はさっさと再婚してしまう。作者が徹底してこの夫婦を未熟なままにしておく所が怖い。もはや結婚しようがしまいが人間のプロをめざせ、という警告か?はたまた壮大な渡鬼のアメリカ版か?ドラマにしたら高視聴率は間違いないが。
ニューヨーク大聖堂(上下) 【講談社文庫】 N・デミル 定価 各900円(税込) 2005/5 ISBN-4062750899 ISBN-4062750902
紐と十字架 【ハヤカワ・ミステリ文庫】 イアン・ランキン 定価 735円(税込) 2005/4 ISBN-4151755012
昏い部屋 【創元推理文庫】 ミネット・ウォルターズ 定価 1,260円(税込) 2005/4 ISBN-4488187048
宇宙戦争 [ 新訳決定版 ] 【創元SF文庫】 H・G・ウェルズ 中村融 訳 定価 580円(税込) 2005/4 ISBN-448860708X