久保田 泉の<<書評>>
雷電本紀 【小学館文庫】 飯嶋和一 定価 730円(税込) 2005/7 ISBN-4094033130
がんばっていきまっしょい 【幻冬社文庫】 敷村良子 定価 520円(税込) 2005/6 ISBN-4344406605
図書室の海 【新潮文庫】 恩田陸 定価 500円(税込) 2005/7 ISBN-4101234167
楽園のつくりかた 【角川書店】 笹生陽子 定価 420円(税込) 2005/6 ISBN-4043790015
エミリー 【集英社文庫】 嶽本野ばら 定価 440円(税込) 2005/5 ISBN-4087478181
バカラ 【文春文庫】 服部真澄 定価 800円(税込) 2005/6 ISBN-4167701014
評価:C 読み始める前、帯の「自殺者よ、待て。借金は死を意味しない!」というコピーからやや同情モードになっていた分、読み進むにつれだんだん疑問がわいてきた。 出てくる人間がみんな金、金で、もちろん誰も幸せでもなく、金のために死ねるほどの狂気を背負った人間もいない。金の持つ魔力というものが、とことんまでは読み手に迫ってこない。冒頭のコピーとのズレが気になる。主人公の志貴大希は、やり手の週刊誌記者。社内の勝ち組で、経済的に自立した美しい妻も持つ一方、違法なバカラ賭博で多額の借金を負うことを妻にも話せないでいる。その上、「行くまいと思えば、行かないこともできる。俺は、ギャンブラーではあるが、カジノ中毒ではない…」などとうそぶく。自己破産寸前まで追い詰められた大希は、カジノ合法化を巡る政治的陰謀を嗅ぎつける。スクープ、妻、カジノ、どれも大希の空虚を埋められない。 長編を読了しても、そんな大希に感情移入できないまま終わってしまい、残念だった。
ドキュメント 戦争広告代理店 【講談社文庫】 高木徹 定価 650円(税込) 2005/6 ISBN-4062750961
ホステ−ジ (上下) 【講談社文庫】 ロバ−ト・クレイ 定価 各700円(税込) 2005/5 ISBN-4062751178 ISBN-4062751186
カインの檻 【文春文庫】 ハーブ・チャップマン 定価 1,200円(税込) 2005/4 ISBN-4167705060
ロデオ・ダンス・ナイト 【ハヤカワ・ミステリ文庫】 ジェイムズ・ハイム 定価 1,050円(税込) 2005/5 ISBN-4151755519
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