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細野 淳の<<書評>>
東京奇譚集
【新潮社】
村上春樹
定価1470円(税込)
2005/7
ISBN-4103534184
評価:A
久しぶりに刊行された村上春樹の短編小説集。一番面白かったのは、唯一の書き下ろし作品である『品川猿』。
時折テレビで話題になるように、最近の猿は人間の住むテリトリーにたびたび出現しては、食べ物を盗んだりするなど、様々な悪事を働かせるようになった。品川区の下水道に潜んでいる品川猿も、人間にとってとても大事なあるものを盗む癖を身につけてしまったために、役人によって捕まってしまう。どうにか釈放してもらおうと、必死になって許しを請う姿は、なんとも滑稽で哀れ。
昔は滅多に人間と鉢合わせすることもなく、神聖な動物と崇められてきた猿だが、最近ではすっかり厄介者の役目を負わされてしまっている。野性の動物たちと人間との住み分けが上手くできなくなってしまった今の世の中は、双方にとって住みづらいものになってしまったのだろう。人に危害を与える存在であるとはいえ、都心の下水道に住まざるを得なくなってしまった品川猿の境遇には少し同情してしまう。
沼地のある森を抜けて
【新潮社】
梨木香歩
定価1890円(税込)
2005/7
ISBN-4104299057
評価:A
叔母が亡くなってしまい、彼女が所有していた、糠床を引き取ることになった主人公。それは先祖代々伝わるもので、毎日必ずかき回して手入れをしなければならないのだった。嫌々ながらも、主人公はその役を引き受ける。そして、毎晩かき回しているうちに、糠床から突如現れてきた二つの卵。一つ目の割れた卵から出てきたのは主人公の幼馴染フリオの死んでしまった親友だった…。
奇抜な設定だが、最初の章であるこの部分までを読み終えた感じだと、何だか主人公の少女時代を回想した、微笑ましい物語であるように感じる。しかし、二つ目の卵から生まれてきた『カッサンドラ』という人物が、主人公にとって憎くもあり、また懐かしい感じがする人物であるのだ。愛憎が同居するこの人物の出現以降、物語は主人公自身の存在のルーツをたどる、深いものになっていく。
作者の描く世界はかなり独特で、現実離れしたもの。しかし、その世界にハマる事ができれば、すごく読み応えのある作品だ。最後の方は、人間の誕生を描いた神話の創世記でも読んでいる気になった。ここまで描ける作者の力量にはただただ感服。
厭世フレーバー
【文藝春秋】
三羽省吾
定価1680円(税込)
2005/7
ISBN-4163242007
評価:B
一家の大黒柱である父親が、突如失踪してしまう。原因はよく分からない。それでも残された家族は、どうにかして生きてゆかねばならない。皆、自分自身でどうすればよいのか、必死に考えている。でも、そんなときに限って自分だけ頑張って空回りしてしまい、他の家族が現状をどう思っているのか、ということまでは目が行き届かないもの。
14歳の息子から、73歳のおじいちゃんまで、それぞれが抱いている愚痴ともつかない思い・考えを、五つの章で各自が吐露してゆく。少し方向性が違えばシリアスな作品になるのだろうが、作者のタッチはとても軽やか。グイグイと読むことができる。
天使のナイフ
【講談社】
薬丸岳
定価1680円(税込)
2005/7
ISBN-4062130556
評価:B
最愛の人を「殺人」によって奪われた人たちは、どのような思いをするのだろうか? ましてやそれが刑罰が下されない十四歳未満の少年・少女の手によるものであったのなら…。
妻を十三歳の少年の手で殺された物語の主人公は、事件当時、決してその行為を許すことはできず、できれば少年達を殺してしまいたい、と思っていた。その感情を忘れつつあった頃に、加害者少年たちが次々と殺されてゆく新たな事件が起こり、主人公は犯人であると疑われてしまう…。
少年法の精神はどのようにあるべきかを問いながら物語は進んでゆく。凶悪犯罪の低年齢化が進む今日、この問いは我々が真剣になって考えてゆかねばならないものの一つなのだろう。二転三転する展開は、ミステリーとして申し分なく、処女作ながら、作者の力量は只ならぬものを感じる。
ただ、真犯人となる人物の一人が、どうしようもない、卑怯で愚劣な人間として描かれている点が少し残念。重い過去や重圧を持っていても、人間としての温かみをどこかで失っていない他の登場人物たちと比べれば、なおさらそう感じてしまう。どのような動機があるにせよ、少年・少女が殺人という行為に行き着く本当の理由は、決して単純なものではないと思う。次回以降の作品には更なる深みのあるものを期待したい。
県庁の星
【小学館】
桂望実
定価1365円(税込)
2005/7
ISBN-4093861501
評価:C
主人公はY県の県庁に勤めている公務員。プライドが高く、少し世間ずれしたドンくさいところのある人物。そんな主人公が、民間会社への出向を突如命じられた。…とこんな風にあらすじを書いていくと、まるでテレビドラマにぴったりな設定だなぁ、と思ってしまう。どうやら本当にドラマ化されるとのこと。
出向先のスーパーでの渾名は「県庁さん」。任された売り場では売上が全く伸びない、プライベートでは女性に大金を騙し取られる。役人時代の仕事とのギャップに驚愕しつつ、世間の荒波にもまれながら、それでも「県庁さん」はめげず、人間として成長していく…。民間企業に勤める人も、公務員の人も、それぞれの現状と照らし合わせながら、面白く読むことができるのでは?
あなたのそばで
【文藝春秋】
野中柊
定価1470円(税込)
2005/7
ISBN-4163242600
評価:D
自分の父親よりも年上の男性と結婚した女子高生、男子生徒と女子教員の付き合い、お互いに浮気をせずにはいられなくなった夫婦…。でも、みんな恋をしつつ、されつつ、日々を生きている。そんな人間模様を描いた作品集。
このような、恋愛を正面から扱った本は、人によってかなり評価が分かれるものなのではないか、と感じる。ちなみに自分の場合は、はっきり言ってかなり苦手。読んでゆくと、どうも居心地が悪いような、ムズムズした感じになってしまう。
作品自体は、奇をてらったところもなく、素直に描かれており、とても読みやすい。それにも関わらずこのような感想を持ってしまうのは、単に自分の性格が捻じ曲がっているからでしょうか? 本書を読んだ他の方々がどのような感想をもたれるのか、興味があります。
その日のまえに
【文藝春秋】
重松清
定価1500円(税込)
2005/7
ISBN-4163242104
評価:A
本の帯には「涙!涙!!涙!!!」の文字が。最近、やたらと感動を美化するような文句が多いので、読む前は本に対する期待はほとんどせず。…でも、読み進めていくうちに本当に涙ぐんでしまった。小説を読んでこのような気持ちになったのは、ずいぶん久しぶりのことだ。
多分、変に飾った言葉や文体などを用いず、「死」というものに対して率直に向き合ってゆく主人公たちの姿勢が良かったのだろう。そして、その「死」をいつまでも自身の中に抱え込んでいくわけにはいかず、現実世界への歩みを一歩一歩進めてしまうことのできる人間の逞しさと悲しさ…。最後の話で、妻が夫に託した手紙の一文は、胸に突き刺さるものがある。
本の構成は、前半の三つの話がそれぞれ独立した短編で、後半の三つが一つのまとまった話になっている。ただ、後半の話では、前半の登場人物が出てきたりするので、順番に読んでいくことがお勧め。
素数の音楽
【新潮社】
マーカス・デュ・ソートイ
定価2520円(税込)
2005/7
ISBN-4105900498
評価:B
数学者の脳の中には数学の世界が実物として存在する、などということは、よく言われていたりする。とはいえ、普段数学から程遠い生活を送っている人には、その世界がどのようなものか、理解するのはなかなか難しいだろう。大学に進んで以降、数学とはほとんど無縁な生活を送ってきた私も、もちろんそのような人間の一人。
本書はそのような人たちにとっても、決して無理を言わせずに、数学の世界の扉を開いてくれる。ただし、扱っている内容は素数の規則性を表したリーマン予想と言う、およそ一般人には詳細まで理解できない高度なもの。本の中に出てくる数式なども、分からないものが沢山ある。しかし、それら十分理解できなくても、数学の世界の美しさを垣間見るくらいのことはできるのだ。
素数の規則性を突き詰めていく数学者たちの、人間性が垣間見えてくるエピソードも魅力的。もし、本書を高校生の時に読んでいたら、ひょっとしたら今は数学に人生を捧げる人間になっていたかも知れない…などとも思ったりしてしまった。
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