雪屋のロッスさん いしいしんじ 【メディアファクトリー】 定価1165円(税込) 2006年2月 ISBN-4840114935
盗作(上下) 飯田譲治・梓河人 【講談社】 定価各1260円(税込) 2006年1月 ISBN-4062132923 ISBN-4062132931
忘れないと誓ったぼくがいた 平山瑞穂 【新潮社】 定価1470円(税込) 2006年2月 ISBN-4104722022
評価:★★★ タカシの手元にあるハンディカメラのテープに残る女の子の映像。その子についての記憶は曖昧。その子の名前は織部あずさ、とノートに自分が書いたはずの記録が残る。モドカシイ書き出しから始まるが、どうやらそのモドカシさは彼女の秘密に由来するらしい。 高校生のタカシは手元の記録から精一杯の言葉で自分の恋を語る。あずさがアルバイトするメガネ店での出会い、高校の屋上での再会、学校をサボって遊園地デート。そして最後のシーンまで怒涛の勢いで進む。怒涛なのはタカシの激しい感情とノートに記録を取る筆圧ゆえ。 この小説は短編映画のように映像的で、SFというより瑞々しく、恋人の死の物語より軽やかだ。他愛のないあずさとの会話のやり取りがとてもいい。好きな女の子と話しながら「!」と自分についても発見してしまう描写がとても楽しい。遊園地で好きな音楽の話で盛り上がり、CDの選び方が「ジャケ買い派」だと気付くところ。一緒にメガネフレームを選ぶくだり。設定ありきで破綻させないよう気遣う進行より、もっと幸せな場面を存分に読みたくなる。ちょっと勿体ないです。 読後感:映画化?
沖で待つ 絲山秋子 【文藝春秋】 定価1000円(税込) 2006年2月 ISBN-4163248501
包帯クラブ 天童荒太 【ちくまプリマー新書】 定価798円(税込) 2006年2月 ISBN-4480687319
ムンクを追え! エドワード・ドルニック 【光文社】 定価1785円(税込) 2006年1月 ISBN-4334961878
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