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中国・台湾間の国際政治的な空白地帯・金門島を舞台に、怪しい取引で金を稼ぎ、刹那的に生きていた元・エリート商社マンの藤堂。しかし、ふとしたきっかけで、彼の捨ててきたはずの「過去」が呼び覚まされ……
問題は、盛り上がること必至のこの設定を、わずか300ページ程度の中編にまとめちゃったことにあると思うのです。これだけ大風呂敷広げたら、昔なら上下巻各600ページ2段組くらいの話になっててもおかしくないのに。
久々に会った「友」が、小さくまとまっちゃったことに対する落胆ゆえの、★3つであります。
舞台は中国本土と台湾にはさまれた金門島。元商社マン藤堂が、多くの出来事をくぐり抜けてたどり着いたこの地で、密かにしたたかに生きている。 愛車オペルを転がしてあちこちに出かける。ビックリするほど行動力のあるルーマニア人と知り合う。 10年ぶりに会いに来た息子のあまりの変貌ぶりにガックリくる。 久しぶりに連絡してきた大学時代に友人が殺されてから、ストーリーはいよいよ目が離せなくなってくるのだが…。 いやはやバイオレンスシーン続出で、読むのが辛かった。 「こんな結末になるなんて」とカップルの行く末に打ちのめされる。 それだけに、食事のシーンが待ち遠しかった。 なにしろ私の大好きな中華だ。しかも藤堂のメニュー選びが私好みでなんとも嬉しかった。 小海老入り炒飯と酢豚、茄子の味噌炒めと鴨の卵スープ、うん、うん、どれも美味しそう。 ついでにバイキング方式の朝食メニューも教えて欲しいと思った。 もちろん、中華粥は必須でしょうね!
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