▲TOPへ戻る
それらを完全にクリアした皆様ならば野ばらちゃんの小説に懐かしさや憧憬、様々な思いを抱くでしょう。読んでいる自分が醜くてどうしようもない人間に思えてくるかもしれません。 例えば、主人公の王子たまが、‘君’のファッションセンスに対して目を光らせ「埼玉に住んでいるから仕方がないか」と田舎モノ扱いする点やなにより‘乙女’という言葉を臆面もなく使っている点からは、この本を読む間でさえもジャージの着用は許すまじ!といったメッセージを受け取れます。
ロリータファッションについてこれほど愛情を持って書ける人はいないだろうと思ってしまう嶽本野ばらさん。今回は主人公の男性作家が、偶然出会った美少女モデルにロリータファッションをアドバイスするところから、物語は動き出す。 しかしながら、いつも彼女が着ているお気に入りは渋谷の109−2にショップがあるANGEL BLUE。娘のポンポも同じメゾンで、この子供服ブランドが物語の重要なキーポイントになっている。 男性作家の「僕」と美少女モデルの「君」、周りからは理解されないもどかしさを持つ二人の関係。二人の気持ちが携帯メールで深まっていくのがなんとも微笑ましい。 「ご免。君のことが、やっぱり好きだ。しかし、どうすればいい…」 携帯メールのない時代には成就しなかったであろう恋が、ここでまた一つ生まれた。
| 当サイトについて | プライバシーポリシー | 著作権 | お問い合せ |
Copyright(C) 本の雑誌/博報堂 All Rights Reserved