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WEB本の雑誌
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今月の新刊採点
>
【文庫本班】2007年5月の課題図書
不運な女神
唯川恵 (著)
【文春文庫】
税込540円
2007年3月
ISBN-9784167727017
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
荒又 望
評価:★★★☆☆
私ってどうしてこんなに運が悪いんだろう、と不満で爆発しそうな女性8人の物語。
著者の描く女性は怖い。湿度というか粘度というか、思い切っていうなら「女度」とでも呼ぶべきものが高すぎるのだ。こういう人もいるのね、と物陰からそっと観察するのは面白そうだが、友達になれる自信はない。間違っても敵に回したくない。
しかしその怖さは、未知のものに対する怖さではない。自分のなかにもたしかにあって、でもいつも気づかないふりをしていて、もちろん他人に対しても巧妙に隠しているつもりの、そんなどろどろとした感情をこれでもかこれでもかと見せつけられるような怖さ。そんな気がする。だからますます怖い。
本作も、怒りや憎悪、嫉妬や執着や後悔が、それはそれは渦巻いている。とりあえず自分のことは棚に上げて、「女って怖いなぁ」と心底思う。でも主人公たちは、最後には腹をくくって前を向く。その潔さに、まあ今日は飲もうよ、泣いても愚痴っても良いから、と彼女たちにグラスのひとつも差し出したい気持ちになる。意外にも後味が良かった。
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鈴木 直枝
評価:★★★★☆
損をしていると思った。「恨んでも、憎んでも、愛してる」この本の帯が邪魔なのだ。
8つの連作それぞれに異なる女のそれぞれの人生がある。揃いも揃って「幸せ」とは言いがたい。家計を楽にするはずのパートの主婦は生活に疲れ、娘が初潮を迎え、同居する母親の痴呆に気を揉む世代。もう色恋に奔走する年ではない彼女らの人生の分岐点に悔しいかな「男」がいる。男女同一賃金、男性の育休取得…そんな世代に生きていても「男に人生を明け渡している」感はぬぐえない。しかし、「惚れた腫れた」を過ぎてからの女の強さが本書の醍醐味だ。選ばれたかのように自分にばかり不運が訪れることを嘆き、「どうして私じゃなかったんだろう」と自虐していた女たちの胸のすくような立ち上がり方。離婚、シングルマザーの道を経た山下久美子が「手を伸ばして何かを掴むんだ」と解説で言い放つ。女であることの幸せを享受しつつ、更にもう1歩を踏み出したくなる。
「不運な女神」は恋愛小説を超えた女の物語だ。
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藤田 佐緒里
評価:★★★★☆
「私は不運なのよ。だから別に期待もしていないし、ただ何事もなければそれでいいわ」というような気分の日っていうのは誰にでもたぶん少なからずある。落胆するのが嫌だから何も期待していないふりをしたり、一人きりだと感じるのが怖いから人間以外のものに拠り所を求めたりする。そうやってちょっと離れたところから自分の人生を客観的に見るようにしていても、必ず主観に引き戻されるときは来る。それで堪えられずに、急に涙が溢れたり、殺したいほど人を憎んだりする。
この作品はそういう振れ幅の大きな女の気分に対して、痛いくらいに忠実だ。連作短編集というスタイルで、登場人物たちが一冊の中でいろんな見え方をするように仕掛けられているので、一人の人物の感情の満ち干がありありとわかるのだ。女として読んで、とても安心できる作品です。
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藤田 万弓
評価:★★☆☆☆
「ああ!イヤだぁぁ!!! それ以上、えぐらないで下さい。見せないで下さい、お願いします」と叫びたくなりました。
正直、しんどい小説でした。重松級の重た〜いボディブローを食らった感じ。最近の女流作家さんは、レンアイに対していい感じに距離感を保っていると思う。例えば、柴崎友香さんだったり、大島真寿美さんだったり、自己完結型の恋愛を知りながら書いている。「早々、男と女は分かり合えないっすよね」という声がなんとなくだが、聞こえてくる。
でも、唯川さんは違う。粘っこい感情を諦めてないように思う。例えば『道連れの犬』もそうだし、『桜舞』もそうだ。まだ人生も始まったばかりだが、私は最近、自分の進路について結構大きな決断をした。そんな矢先に「人は、生きられなかったもうひとつの人生に、死ぬまで嫉妬し続けていくものなのかもしれない」(『帰省』より)と言われてしまうと、グサっと刺さる。
人生経験の少ない私は、どちらかというと希望の残る小説の方が好きです。
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松岡 恒太郎
評価:★★★☆☆
繋いでいたはずの指先がいつのまにか離れてしまっていたことに気付いた時女は、立ち尽くしそして恨み言を口にした。でもいつしか現実を受け入れて、それぞれに答えを見つけ歩き始める。そんな不運な女達の物語。
作品同士が微妙にすれ違いながら進行する短篇集。全ての作品が、決して恨み節だけで終わっていないのが救いだけれど、トータルすると負のパワーが勝っているのがやや気になった。
そんな中にあって、表題作の『不運な女神』と『枇杷』この気持ち前向きな二作品が渋く輝いている。
表題作である『不運な女神』ではラストが近づくあたりで不意に物語の終焉を飾る曲が頭の中で流れ始めた。僕の中ではまま起こる現象なのでご心配はいらない。
曲は中島みゆきさんの『悪女』。
自分の不運は受け入れて、誰かの痛みを理解する主人公の姿とみゆき節が交差する、無意識ながらも納得の選曲でした。
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三浦 英崇
評価:★★★☆☆
恋愛小説を読むことは、現在の自分の稼業から言っても、割に得られるところが多かったりするのですが、その一方で、気分が沈んだり凹んだりするデメリットも多いのが難です。
ことに、この連作短編集は、「愛」なんていう形のないあやふやなものに振り回された結果、程度の差こそあれ不幸を背負い込んだ女性たちが、ほんのちょっとずつの縁で連鎖しちゃっている訳で……放置しておくと、自分もその輪に組み込まれそうなところが嫌。ま、そもそも俺は男ですし、むしろ彼女らを不幸にしかねない立場になる方が多いでしょうけど。そんな状況、生涯なさそうですが。
そんな哀しい現実はさておき、そうやって「愛」に決着がついて、不幸に陥ることがあっても、この作品の主人公たちは、その経験から必ず何かを得て、レベルアップしていくたくましさがあります。いつまでも引きずって立ち直れないままの男連中(含む俺)からすると、まさに「女神様」のようです。
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横山 直子
評価:★★★☆☆
不幸せなヒロイン達が次々に登場する恋愛短編。
「あの男性のどこがいいのですか?」と思わず聞いてしまいたくなるが、恋に落ちるとはそんなものなのだろう。しかし、幸せな恋ならその幸せのおすそわけをいただくこともできるが、男性から一方的に拒絶された彼女達の話を次々に聞くのはあまりにもせつない。
八つの短編の中でも一番印象に残ったのは、ちょうど桜が舞い散る季節が舞台の「桜舞」。
小学校教諭をしている雅恵。自宅マンション横に大型マンションが建設されることになり、せっかくリビングから見えていた桜が切り倒されることに…。
しかし、桜どころの騒ぎではなく、そのマンションにはかつて彼女を裏切る形で離婚した夫が新しい家族と住むと言う。
やっと立ち直ったと思えた矢先に発覚したこの事実!彼女の心のありようが胸に迫る。
はらはらと桜が散る様子がいつまでも心の中で消えずに残る。
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