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今月の新刊採点
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【文庫本班】2007年5月の課題図書
バルザックと小さな中国のお針子
ダイ・シージェ (著)
【ハヤカワepi文庫】
税込693円
2007年3月
ISBN-9784151200403
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
荒又 望
評価:★★★★★
下放政策で山村に送られた「僕」と羅(ルオ)は、禁じられていた西洋の小説を手に入れ、ともに想いを寄せる美しい娘、小裁縫(シャオツァイフォン)に語り聞かせる。
懐かしさであふれるおとぎ話のような雰囲気。文革時代の重苦しさはほとんど感じられない。巧みな暗喩、皮肉を込めた語り口、ほのかに官能的な表現。読み手によっては鼻につくおそれもあるくらい、技巧に富んでいる。中国人作家によるフランス語小説の日本語訳、といくつもの言葉の壁を乗り越えて、それでもこの贅沢な味わいが失われずに残っているとは嬉しいかぎり。
なにより心を打たれるのは、3人の若者が小説の世界に触れたときの喜びの大きさ。
「バルザックの言葉が肌に触れると、幸せと知恵をもらえそう」―小説の一場面が書き写された「僕」の上着を羽織ったときの小裁縫の言葉。
「指先が本に触れると、青白く照らしだされた手が、人の命に接している感じがした」―本が詰まった鞄を開けたときの「僕」の言葉。
こんな言葉が自分には言えるだろうか? この若者たちと同じくらい、突き上げるような喜びとともにページをめくったことはあるだろうか? 時代が違うといってしまえばそれまでだが、彼らの強烈な歓喜といったら、読んでいて胸がどきどきしてくるほど。そんな3人の姿に出会えただけで、この本に感謝する。
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鈴木 直枝
評価:★★☆☆☆
出会いは映画「小さな中国のお針子」だった。本の著者がそのまま映画監督をしたのだ。「原作を上回る映画はない」というのが持論の私だが、今回ばかりは致し方ないか。
テレビも小説も映画もましてや学校もない。ないない尽くしの1970年代の中国が舞台。文化大革命は、医者の子である二人の青年を再教育の名のもと山奥へ送ってしまう。知識人は悪…そんな時代、当然バルザックの本は禁書だった。本を読む。新しきを知る。その自然にわき上がる欲求は、恋という感情も抑えつけることが出来ない。青年と出会うことで、世界を広げ輝きを増していくお針子の少女が変わっていく。それは哀しい変化なのだ。
山裾の美しさや時間の流れの雄大さ少女の愛らしさを感じたのは、映画だった。しかし、歴史的背景を理解しながら、物語に吸い込まれていく村人の様子を手に取るように想像できたのは、本を読んでいる時だった。
盗人になってもいいから読みたい本があるなんてある意味、幸せだ。目覚まし時計もなく、日の出と日没で時間を計る、その生活もある意味、贅沢で幸せなことかもしれないけれど。
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藤田 佐緒里
評価:★★★★☆
反革命分子の子として再教育を受けさせられることになった主人公とその友人、羅。チベットとの境界みたいななんにもない山奥に放り込まれて、毎日つらーい労働をさせられる。自分のせいでもないのに若い力を山奥でくすぶらせておかなきゃならないなんて、その時の二人を思うとやりきれない。でもここまでは、よくある話。
その後二人は当時禁書とされていたバルザックをはじめとするさまざまな小説を手に入れる。ここから話はどんどん面白くなってきて、加えてぐぐぐっと切ない方向に向いてくる。引き込まれます。
帯文でいしいしんじさんが「小説を読むことが、この世でいちばんの幸せかも知れないとおもった」と書いていますが、まさにそのとおり。何も文句がございません!
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藤田 万弓
評価:★★★☆☆
毛沢東が行ったプロレタリア文化大革命時の抑圧が生む、文化への渇望感に不謹慎ながらも嫉妬を覚えた。
そして、この作品を通して作者自身が本の力を強く信じているのを感じた。知識や教養を否定した革命の中で、僕と羅は、友人の隠し持っていた小説の入った旅行鞄を盗み、厳重に戸締りをした小屋でむさぼるようにそれらを読む。私たちは文庫本で携帯できるが、彼らは羊皮の上着の裏側にお気に入りのバルザックの一文を書き写す。本を入手するまでの苦労が詳細で、その様子がより一層彼らの渇望感とマッチして「読みたくて仕方がない!」という衝動が伝わってくる。
羅は教養のない小裁縫に語り、彼女もまた、その感動を「ぼんやりと夢でも見ているようで、しばらくしてやっと我に返って地に足がついた。(中略)バルザックの言葉が肌に触れると、幸せと知恵をもらえそう」と素直な反応を示している。
でも、時として、書物は毒になることも教えてくれる。無知だった彼女は書物を通じて知恵をつけ、純粋無垢な少女から自立に目覚めてしまうのですが、その辺りは読んでからのお楽しみ。
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松岡 恒太郎
評価:★★★★☆
中国人の作家が書いた、中国の田舎町を舞台にしたお話。それなのに不思議とこの作品には全体を通してヨーロッパ的な趣がある。読み進めるほどに自然と頭の中に浮かんでくる風景もまたどこか叙情的で、中国という言葉から思い描く墨絵の世界とは随分かけ離れたものだったりする。
読み終えてから、中国人である著者が実はフランス映画にも精通しており、原作もまたフランス語で書かれたのだと知り、そこで初めてなるほどと納得。
切なく淡い恋の物語。仕立て屋の娘に恋をした青年は、禁じられている欧州の物語を娘にせっせと読み聞かせ、主人公の僕はそんな親友を見守りながらもいつしか自分自身もまた娘に惹かれてゆく。
鍵を握るのはバルザックの小説。閉鎖されたその時代にこの禁断の小説から彼らが受けた衝撃がいかほどであったのか。書物はもとより映像や情報がここまでおびただしく溢れている今日の日本に住む僕たちには、理解することなど到底できやしないだろう。
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三浦 英崇
評価:★★★☆☆
何が怖いと言って、読みたい本が満足に読めない状況くらい、怖いものはないです。ここで書評を読んで下さっている皆様ならば、ご同意頂けると思うのですが。で、読みたい本を読もうとすれば「知識人」の烙印を押されて、最下層の生活を強いられたり、場合によっちゃ死に至ったりする時代が、ほんの数十年前の中国ではあった訳で……
そんな状況でもやっぱ、本が読みたくて仕方のない奴ってのは、やっぱ本を読んじゃうものなんだなあ、と。俺自身が、この作品で書かれたような行動に出るかどうかはともかく、気持ちはよく分かりますね。
そして、危険だって分かっていても、自分の読んだ本について語り、感動を共有したくなるのも無理はなくて。ましてやそれが、好きな女の子相手だったらなおさら。
この作品は、「本」と「美少女」という、俺にとっちゃ欠くことのできない要素が手に入らない、極限状態でのサバイバル小説だと思った次第。え? 全然違う?
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横山 直子
評価:★★★★★
「読み終えたときには、どんなすてきな人生も、どんなすてきな世界も前とは同じではなくなる」。
小説を読むこと、そうして未知の世界へ足を踏み入れる幸せを改めてしみじみ感じた。
それこそ手当たり次第の本を読んでいる読書三昧の私にとって、禁書自体が最初はピンと来なかったが、本が与えてくれる幸せがどれほどのものなのかということに気づかせてもらった気がする。
舞台は文化大革命の嵐が吹き荒れる中国。山奥で再教育を受けることとなった青年二人とそこで出会った仕立屋の娘がおりなす青春小説。
必死の思いでバルザック、フロベールなどの禁書を手に入れた過程に、そして若者たちのみずみずしく、甘酸っぱく、そして時には残酷とも思える行動に40代の私はドギマギしっぱなしでした。
課題図書10冊の中で、いろんなつながりを見つけるのも新刊採点員の醍醐味の一つ。今回は蚤つながりで、本著と「アヘン王国潜入記」。
同じアジアながらも中国は退治方法を知り、もう一方のミャンマー北部のワ州は蚤にくわれるのみ。
なんとか蚤退治の方法をワ州に伝える方法はないものか?とまるで高野さんになったような気分で思いました。
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