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川畑 詩子の<<書評>>
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>>課題図書一覧
悪人
吉田修一(著)
【朝日新聞社】
定価1890円(税込)
2007年4月
ISBN-9784022502728
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
評価:★★★
福岡と佐賀の県境の峠で起きた殺人事件をめぐるこのストーリーは、裏「田舎に泊まろう」・「家族に乾杯」だ……。過疎化で高齢者の多い地域の不便さとか、国道沿いに全国チェーンの量販店が点在する光景のわびしさとか、活気に乏しい淀んだような日常が描かれる。でもそれは地方に限ったことでなく、もしこの舞台が都心であっても、きっと寒々しく描かれるのだろう。そして、帯の浅田彰の言葉にもあるように、市井の人びとを温かく見守るなんて上から目線は無し。冷やかにじっと観察している。読者にもその視線は向けられている。
交友のあった人たちの語りから被害者の行動が明らかになるにつれて、同情は薄れ非難もしたくなるその頃に、実家に届く嫌がらせの手紙やファックスに出くわす。それが人に言うべき言葉でないことは分かる。唾棄すべき行為だとも分かっている。しかし自分の頭の中に浮かべた思いと、どこが違う? 自分の持つ悪意をいきなり鏡に映されたようだった。
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鹿男あをによし
万城目学(著)
【幻冬舎】
定価1575円(税込)
2007年4月
ISBN-9784344013148
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
評価:★★★★
三十代手前にして居場所がなくなった少々神経質な大学院生が、転地療養あるいは期間限定の厄介払いのように、遠く離れた奈良の女子校に赴任する。とぼけたようなつかみどころのない生徒たちに、個性的な先生たち。そう、これは現代の『坊っちゃん』なのです。
しょっぱなから生徒とは衝突。理由を問いつめても「茫洋とした表情でおれを眺めるばかりで、いつまで経っても返事をしない」ですよ。黒板に「『チクリ』チョークの腹を使って書いたのであろう、淡い色合いの太々とした字が盛大に躍っていた」ですよ。私だってお腹が痛くなりそうです。そんな悩ましい日々に加えて、救国の使命まで帯びてしまうのですからもう大変。
光景が鮮烈に目に浮かぶようなみずみずしい文章と、真面目に組み立てた荒唐無稽なストーリーのおかげで気持ちよく読めました。鹿が町を歩き、国宝の庇に猫が眠るような往時の都奈良では、超自然的な存在がゆったりと目の前を横切ることもあり得るかも、と思わせるのに成功しています。生意気でピュアな女子高生と、不器用な質の三十路手前の男子の組み合わせかー、と三十路女は少し皮肉な目で見たくもなりますが、それはそれ。仲間入りしたくなるような心地良い世界が広がっているのでありました。
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ダーティ・ワーク
絲山 秋子 (著)
【集英社】
定価1315円(税込)
2007年4月
ISBN-9784087748536
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
評価:★★★★
喪失感を抱える人びとのモノローグからなる連作短編集。『海の仙人』にて見せた、改札での別れのような、強烈に心揺さぶられるシーンと今回は出会えなかったものの、それでもうまい!
最後の熊井のお話。転んだ子どもに駆け寄るところを想像してみたら、彼が先に駆け寄る映像が浮かぶ。これからどうなるのかハッピーエンドは約束されていないのだが確かにクライマックスにふさわしいぴりりとした終わり方だ。
ドラマティックな展開はない。明日もまた同じような一日がやってくるに違いない。それでも、うずくまっていた人が立ち上がろう、動き出そうとしている気配が全ての作品に感じられた。幸福や高揚感と名付けると少し違う。でもそれにとても似た名付けがたくて微妙な心の動きをすくい取るのがうまいのだと思う。
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めぐらし屋
堀江 敏幸(著)
【毎日新聞社】
定価1470円(税込)
2007年4月
ISBN-9784620107110
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
評価:★★★★★
しっとりとしてなんとも穏やかな一編。
離れて暮らしていた父親が急死した。父親は「めぐらし屋」という聞き慣れない仕事をしていたらしい。その謎をたどるうちに娘の蕗子さんは小さい頃の記憶が蘇り、思いがけない出会いを体験する。
天涯孤独になった蕗子さん。体が弱くて貧血気味ですぐに体が冷えてしまう上、しっかりして見えて抜けているところがあり、感じ方や行動が少しずれている蕗子さん。箇条書きすると明るい要素は微量で、しかもロマンスが芽生えるとか庇護者が現れそうな気配も全くないのに、なぜか「大丈夫」という言葉が浮かぶのだ。感情が溢れそうになっても、空や地面にすーっと吸収される自然のシステムが備わっているような安心感とでもいうか。
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湖の南
富岡多惠子(著)
【新潮社】
定価1680円(税込)
2007年3月
ISBN-9784103150053
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>> 本やタウン
評価:★★★★
明治三十九年、大津を回っていた当時のロシア皇太子ニコライを巡査の津田三蔵が襲撃した大津事件。犯人の姿が手紙を通してなぞられていく。
なぜ彼がロシア皇太子に斬りつけたのか、はっきりした理由は結局分からないままだ。手紙には帰省できないもどかしさや時流から取り残されそうな焦燥がつづられていて、きまじめで心配事が絶えなくて、一日一日を必死で送っている男の姿が伝わってくるだけだ。
病弱な母をきづかい、困った兄に頭を痛める三蔵。唯一の後継者である息子の持病を心配するニコライ。事件の歴史的社会的背景は個人と切り離せない。いやでも影響は受ける。しかし日々の生活やプライベートの関心事と、いわゆる歴史とはなんとスケールが違うことかと呆然とする。
また幾度か、現代と大津事件とがオーバーラップする時がある。町角で、花火大会で。土地に降り積もる記憶を感じ取る作家の敏感さにも感服した。
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楊令伝
北方謙三(著)
【集英社】
定価1680円(税込)
2007年4月
ISBN-9784087748581
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
評価:★★★★
今でも人気があって、その影響で『南総里見八犬伝』が生まれたくらい古典中の古典『水滸伝』。それを読まずしていきなり続編は読めるのかと心配でしたが、杞憂でした。梁山泊を再興すべく、各地に潜伏しながら準備に余念のない好漢たち(女子も含まれますが、なんか「漢」と書いて「おとこ」と読ませたい)。くーっ格好いい。かつての同志の子息も集い、強くなるべく猛特訓を重ねる。天賦の才能プラス極限まで自分を追い込む修行。くーっ。漢たちのエキスパートぶりもまた格好いい。誰よりも緻密な海底の地図を作る童猛が静かに水と対話するにはしびれます。
仲間内でも苦手な相手や嫌いな相手がいて一枚岩ではないようだし、リーダーは居ないようなもの。闇の組織青蓮寺の動きも不気味だし、北方の女真族の覇権争いもどう影響するのか。復興はなるのか? 続きが気になる!
……しかし、好漢たちが仲間以外の人を割にあっさり殺すことに実はびっくり。現代的に人物の内面が描かれていても、そんな乱暴なところが昔の話っぽく、そのギャップも面白かったりするのだが。
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星新一 一〇〇一話をつくった人
最相葉月(著)
【新潮社】
定価2415円(税込)
2007年3月
ISBN-9784104598021
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
評価:★★★★★
「そう言えば何冊か読んだなあ星新一」。少しの懐かしさと、なんとなく「過去の人」という表面的な先入観を持って読み始めた。製薬会社の御曹司だったことも知らなかった。
星新一のショートショートは国籍や時代が特定できない上に、内面的にもどこか無機質な登場人物が特徴的でそこが格好良かった。最後のオチも刺激的で、早く次をと焦るように文庫本の頁をめくったことを思いだす。
ご本人も苦しみや怒りといった感情をあまり人には見せていなかったらしい。人の集まりでは機知に富んだ発言で場を盛り上げる存在だったらしく、対外的にはハンサムで洒脱な人という印象を残していたようだ。インタビューや書いたものの行間、あるいは親しかった人の思い出話から本音を推察するしかない。日本のSF黎明期の輝きや熱気を伝えながらも、その後の趨勢や長老格になった星新一の孤独にも目を配る。そんな淡々としたトーンの評伝だが、膨大な資料に向き合い星新一に近づかんとする著者の気迫が感じられる。自分の感情を表すのが苦手だった星新一、という短い記述からも、背負ったものの重さや、創作の苦しみ、文壇で生き抜くことの厳しさが伝わる一冊だった。
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黙示の海
ティム・ボウラ(著)
【東京創元社】
定価2100円(税込)
2007年4月
ISBN-9784488013264
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
評価:★★★
難破船が漂流した島で始まるサバイバル。少年は舵取りを誤った自責の念でいじいじする一方、両親に禁止されているにもかかわらず好奇心のままに島をうろつき、そこで見かけた少女を追いかけてしまう。そんな少年がみせる成長の著しさに瞠目した。何が大事で自分は何をなすべきか定まった人の強さには納得。
自分にそっくりな男や、異様なまでに敵意に満ちて暴力的な村人たち、沖から聞こえる不気味な音。不思議で不気味なことだらけだが、謎を解いてつじつまをあわせることはしない。不可思議で神秘的な一連の出来事の意味は明かされるが、理詰めで理解できるような説明ではないものの、違和感はなかった。
ただ、押し寄せる波の恐怖やスケールが思い描きにくかったのと宗教に対する強い感情が今ひとつ分かりにくく、今ひとつストーリーを楽しめなかった。
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