▲TOPへ戻る
ところが、夫がそういう風に、それほどこだわってなかったりしても、周りのプレッシャーだとか、本人自身の「幸せな家庭」像だとか、その他もろもろのせいで、何としても赤ちゃんが産みたい! でも、なかなか生まれない!っていう妻側の悲劇はしばしばあって。
この中編集は、不妊治療や代理母、女性の性欲といったテーマで、そりゃあんた、パートナーもいない俺にどうやって読めというのですか? 逃げ場無しじゃん、みたいな風情でした。感情移入はどうやっても不可能だし、状況の傍観者にならざるを得なくて……で、見ていられないシーンが満載なのが、もう。
不妊治療って、こんなに大変なのかー、って知ったら、こんな辛い思い、絶対好きな相手にはさせたくないです。
「おうまの あかちゃん だれがすき」 表題作の「玉手箱」に登場する美希ちゃんの初めての言葉はある絵本の中の一節。 なかなか話さないなぁと心配していた矢先だった。 読みすすめながら、この事実が分かった瞬間、とめどもない感動が沸き起こった。 代理出産を決意して得て、大切に大切に育ててきた娘の言葉だから、なおさら嬉しい。 その一言で、これからの生きていく道を頑張ろうと思う瞬間があるとすれば、まさにこんな時だろう。
| 当サイトについて | プライバシーポリシー | 著作権 | お問い合せ |
Copyright(C) 本の雑誌/博報堂 All Rights Reserved