『コンビニ兄弟』町田そのこ
●今回の書評担当者●宮脇書店ゆめモール下関店 吉井めぐみ
ミステリー好きなのでやはりミステリー作品からと思っていたのだが、ドラマも放映されこのタイミングで私が紹介しなくてどうする!と謎の使命感で『コンビニ兄弟〜テンダネス門司港こがね村店〜』を選んだ。
初めてこの作品と出会った時、門司港だ!知ってる場所が出てくると読んでいても楽しい!ともう地元・下関の対岸が舞台というだけでテンション爆上がり。読み始めても景色が思い浮かび、門司港って絵になるよねーと呑気だった。しかし町田作品はそれだけでは終わらない。コミカルに描かれてはいるが、誰しも悩んだり困ったり、一度はみんな人生の中で見聞きしているのではないだろうかということを題材にあたたかくまとめられているのだ。
九州のコンビニチェーン「テンダネス門司港こがね村店」の店長志波三彦ことフェロモン店長はコンビニを訪れるお客様への愛に溢れる人。店頭に立てば老若男女のファンに囲まれる毎日。各話の主人公はテンダネスを利用するお客様。中学生から定年を迎えた方まで年代は様々。悩みを抱えた人々がテンダネスのフェロモン店長をはじめ店員達と常連の「なんでも野郎」のツギが解決?していくハートフルでミステリアスな物語。
まず「フェロモン店長」ってなに?ってなりますよね。私もなりました。しかし読み進めていくとだんだん彼の虜になっていく。彼のフェロモンの源は愛!そう、コンビニと利用するお客様への愛なのです!この愛に老若男女囚われていくのです。(もちろん、そうならない人々もいます)この愛は著者である町田さんの読者である私たちへの愛と同じではないだろうかと勝手に思っている。
一巻一巻完結しているのだが、つぎの巻へ続くエピソードも盛り込まれており期待が高まりやめられない。プロローグの語り手である和歌とマキオの話もファンに人気です。二人が今後どうなるのかとても気になる!
2巻以降には門司港レトロMAPも掲載されており、この地図の原案は実は私。門司港を訪れた皆様に本を片手に聖地巡礼していただきたい一心でPOPとして書いたものが地図原案として採用されました。ぜひご興味を持った皆様に門司港を訪れていただきたい。
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- 宮脇書店ゆめモール下関店 吉井めぐみ
- 書店員13年目。気付けばミステリーばかり読んでいます。伏線を探すつもりが、だいたい作者にいいように騙される。それでもやめられないのがミステリーの魅力。横溝正史、綾辻行人、有栖川有栖、京極夏彦、町田そのこ、青山美智子、澤村伊智、芦花公園、もっともっと好きな作家さんたくさんです。推しは 谷山紀章 、GRANRODEO SnowMan 。

