担当=杉江松恋

湊かなえの勝負作『暁星』を読め!
2025年12月11日11:29

【今週はこれを読め! ミステリー編】

湊かなえの勝負作『暁星』を読め!
 読み終えた瞬間、どうだ、という作家の声が聞こえた気がした。 『暁星』(双葉社)は、湊かなえの勝負作であると思う。  飛龍があしらわれた表紙...
犬塚理人『サンクチュアリ』の加速がすごい!
2025年11月28日19:00

【今週はこれを読め! ミステリー編】

犬塚理人『サンクチュアリ』の加速がすごい!
 喩えるなら、円運動のような小説だな、と。  犬塚理人『サンクチュアリ』(講談社)は、四話の連作形式で綴られる物語である。  主人公は検事の...
岩井圭也『真珠配列』の企みに唸る!
2025年11月23日21:00

【今週はこれを読め! ミステリー編】

岩井圭也『真珠配列』の企みに唸る!
 作者の企みが見えたとき、心地よい感慨が生まれた。  なるほど、そういうことなのか、と心の中で手を打つ。  ミステリーというのは全体像を最初...
新・競馬シリーズ第2弾『虎口』をお薦め!
2025年11月16日16:49

【今週はこれを読め! ミステリー編】

新・競馬シリーズ第2弾『虎口』をお薦め!
 どんな話でも爽やかな冒険小説にできるのである。  フェリックス・フランシスは競馬シリーズで知られるスリラー作家、故・ディック・フランシスの...
自縄自縛の謎解き小説〜B・スティーヴンソン『真犯人はこの列車のなかにいる』
2025年10月29日15:28

【今週はこれを読め! ミステリー編】

自縄自縛の謎解き小説〜B・スティーヴンソン『真犯人はこの列車のなかにいる』
 自分を縛る縄は大リーグボール養成ギプスになることもある。  古い喩えで申し訳ない。本年を代表する謎解き小説としてベンジャミン・スティーヴン...
家や町が丸ごと消える!〜北山猛邦の消失トリック作品集『神の光』
2025年10月26日11:34

【今週はこれを読め! ミステリー編】

家や町が丸ごと消える!〜北山猛邦の消失トリック作品集『神の光』
 すごく消えるよ。  当代随一のトリックメーカー・北山猛邦の新作『神の光』(東京創元社)は、五篇を収めた作品集である。  収録は発表順で、巻...
独断専行の男の警察小説〜櫻田智也『失われた貌』
2025年10月16日11:45

【今週はこれを読め! ミステリー編】

独断専行の男の警察小説〜櫻田智也『失われた貌』
 あ、こういうミステリーをどこかで前に読んだことがあるなあ。  でもどこで読んだか、はっきり言えないなあ。  そんなことを考えながら櫻田智也...
マクファデン『ハウスメイド』の破壊力を見よ!
2025年9月17日19:30

【今週はこれを読め! ミステリー編】

マクファデン『ハウスメイド』の破壊力を見よ!
 最も破壊力が強いのは、最も単純な構造のミステリーである。  という格言があるかどうかは知らない。結構いろいろな人が言っているような気がする...
七つの試練に挑戦する青春犯罪小説『バッドフレンド・ライク・ミー』
2025年6月25日11:17

【今週はこれを読め! ミステリー編】

七つの試練に挑戦する青春犯罪小説『バッドフレンド・ライク・ミー』
 これってさ、『悪党パーカー/汚れた7人』じゃないか、リチャード・スタークの。  井上先斗『バッドフレンド・ライク・ミー』(文藝春秋)を読み...
2025年5月28日12:10

【今週はこれを読め! ミステリー編】

"ただ普通でありたかった"男の人生〜月村了衛『普通の底』
 2025年の現実を犯罪小説的視点で見ればこういう長編になる。  先般、『虚の伽藍』(新潮社)が高校生直木賞に選ばれたばかりの月村了衛が、書...