●担当者●喜久屋書店宇都宮店 大牧千佳子

2012年4月26日更新

『ゴロツキはいつも食卓を襲う』福田里香

 食べ物をのどにつまらせて焦る人。  そう聞いて真っ先に思い浮かぶのは、誰でしょうか?  ご隠居と旅をするうっかりしたあのひと? 国民的アニメのエンディングのあのひと? ドラマや映画、アニメの世界、い... 記事を見る »
2012年3月22日更新

『紙の月』角田光代

1億円横領し逃亡した銀行の契約社員、梅澤梨花41歳。彼女が犯罪者へと身を落としていった経緯。そして過去に彼女と関わりのあった人たちがその事件を知って、じわじわと影響を受けていく様。読み始めたらとまらな... 記事を見る »
2012年2月23日更新

『しょうがない人』原田宗典

「メロンを買いに、町へ出る。  ほかに何の目的もない。ただ純粋に、メロンを買うためだけに、町へ出る。」  こんな書きだしで始まる「メロンを買いに」を含め4つの小説が入った短編集、それがこの『しょうがな... 記事を見る »
2012年1月26日更新

『昼のセント酒』久住昌之

寒い日が続きますね。冷たい風に身も心も縮こまってしまうような日、お風呂で手足を伸ばして冷えも疲れもお湯に溶けていく感じ。ごちそうですね。 おうちのお風呂もいいけれど、ひろーい湯船に高い天井、カコーンと... 記事を見る »
2011年12月29日更新

『「金の船」ものがたり 童謡を広めた男たち』小林弘忠

 この季節、子どもたちへのプレゼント選びにご来店されるお客様が多くなります。美しい絵本や物語など、幼いころに読んだものの記憶はいつまでも残るものですから、選ぶ方もつい真剣になりますね。  子どもたちに... 記事を見る »
2011年12月1日更新

『三陸海岸大津波』吉村昭

 石巻へ行ってきました。  石巻の町には仮面ライダーがいました。ゴレンジャーもいました。009やロボコンも。石巻には石ノ森萬画館があって石巻マンガロードがあって、街中にヒーローがたくさんいるのです。自... 記事を見る »
2011年10月27日更新

『舟を編む』三浦しをん

 辞書はアツい。  分厚さはもとより、この本を読むまで辞書編集の現場がこんなに熱いことになっているとはまったく考えもしなかったです、ごめんなさい。  この本は辞書をつくることに人生をかけた辞書編纂者た... 記事を見る »
2011年9月22日更新

『平成猿蟹合戦図』吉田修一

 いやあ、面白かった。こんなスカッとする小説は久々かも。 『悪人』(朝日文庫)でひとつの事件に関わる人々ひとりひとりの心情を緻密に描き、重厚な物語へと読者を飲み込んでいった著者が、今度はその緻密さを持... 記事を見る »
2011年8月25日更新

『もぎりよ今夜も有難う』片桐はいり

 映画好きだったら、やっぱり映画館へいかなくちゃ。  そういうこだわりを持つ人も多いのではないでしょうか。そんな方にはぜひ読んでいただきたいのがこの本。  著者の片桐はいりさん。この方、映画館でバイト... 記事を見る »
2011年8月4日更新

『ユービック』フィリップ・K・ディック

 しみ、しわ、たるみで砂漠化したお肌にお悩みのあなた。このスプレーをかけたなら一瞬にしてぷるるんつやつやうるおい肌に元通り。  そんな夢のスプレーがあるとしたら、使ってみたいと思いませんか? スプレー... 記事を見る »
2011年6月30日更新

『イン・ザ・ルーツ』竹内真

 ひき続き、竹内真祭りです。  どっからひき続いているのかといいますと、2008年yc voxワカバウォーク店大熊江利子さんが紹介された『ワンダー・ドッグ』(新潮社)、そして堀江良文堂書店松戸店高坂浩... 記事を見る »
2011年6月2日更新

『玉子ふわふわ』早川茉莉

 朝、荷物がつくので開店前にダンボールを開け検品作業をし店内へ台車を運び入れる。その頃にはすっかり腹ペコ。いちばん広い文庫通路を通りながら、文春文庫をチラリと見やり、いっそ東海林さんを丸かじりしたいわ... 記事を見る »
喜久屋書店宇都宮店 大牧千佳子
喜久屋書店宇都宮店 大牧千佳子
本屋となっていつのまにやら20年。文芸書と文庫を担当しております。今の店に勤めて6年目。幼い頃、祖母とよく鳩に餌をやりにきていた二荒山神社の通りをはさんだ向かい側で働いております。風呂読が大好き。冬場の風呂読は至福の時間ですが、夢中になって気づくとお湯じゃなくなってたりしますね。ジャンルを問わずいろいろと、ページがあるならめくってみようっていう雑食型。先日、児童書担当ちゃんに小 学生の頃大好きだった児童書『オンネリとアンネリのおうち』(大日本図書版、絶版)をプレゼントされて感動。懐かしい本との再会というのは嬉しいものです。一人でも多くの方にそんな体験をしてほしいなあと思います。