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4月2日(日)炎のサッカー日誌 2006.05

 埼玉スタジアムに自転車で向かう。その道沿いで桜が満開に咲いている。
 ふふふ、我が浦和レッズはとっくに満開だぜ。思わず笑みがこぼれてしまう。

 まさかサッカーに行くのがこんなに楽しくなるなんて数年前は考えられなかった。あの頃スタジアムに向かうのは期待よりも不安がいっぱい、そしてその不安を裏切らない試合展開で、帰りは怒りに任せて自転車を走らせていたのだ。「喜怒哀楽」でいえば、怒と哀ばかり。ああ、生きてて良かった。

 しかしそんな弛緩した気持ちを察したのか、試合開始前、ゴール裏のコールリーダーK氏が怒鳴る。

「まさかお前ら、楽に勝てるなんて思ってねえだろうな。勝つことがどれだけ大変かわかってるだろ? トップに立っても俺たち浦和レッズはチャレンジャーなんだ」

 目の覚めるようなその言葉に、気を引き締め直し、雄叫びをあげる。「オイッ!」

 ところが、この日の相手名古屋グランパスエイトから、攻めても攻めてもゴールネットを揺らすことができず、0対0の引き分け。久しぶりに味わう猛烈な怒り。そうだよな、負けると悔しいんだよな。あっ引き分けか。でももう引き分けじゃ我慢できないぜぇ、浦和レッズ!