WEB本の雑誌

1月30日(火)

 連日、営業と写真展会場での売り子。土日もなく、仕事が続く。だいぶ疲れがたまってきたが、出版社の営業マンとはいえ、直接読者にお会いする機会はほとんどないわけで、目の前で本が売れ、お金をいただき、そして椎名さんにサインを貰って感動している姿を見ていると、疲れよりも喜びの方が大きい。

 しかも毎日椎名さんがやってきて、僕の隣で原稿書きや新作の構想などを練りつつ、ボソボソといろんな話をし、これはもはや僕にとって財産になること間違いなしだ。モノクロの、哀しみのなかに希望のある写真とアンドレ・ギャニオンの音楽がマッチしたこの会場のことを、おそらく今後何度も思い出すことだろう。

 そんななか熊谷達也を読み続ける。山岳冒険小説の『漂白の牙』、ある種成長小説となっている動物小説の『ウエンカムイの爪』、自然のなかで暮らす人間ドラマを描いた『山背郷』(すべて集英社文庫)。僕は特にこの『山背郷』が気に入った。地味ではあるけれど、ここに描かれているような実直な人間になりたい。さて次は史上初の山周賞と直木賞をダブル受賞した『邂逅の森』から続く<森シリーズ>だ。

 写真展も残すところ、あと二日。まだいらしていない方は、ぜひ!