3月19日(月)
娘の卒園式に出てから出社。
入園時、あれほど嫌がった幼稚園だったが、その後は風邪を引こうが、熱を出そうが行きたがり、休ませるのに苦労したほどだった。娘よ、ありがとう。そして頑張ったね。
通勤読書は『三屋清左衛門残日録』藤沢周平著(文春文庫)。映画モノ『たそれが清兵衛』、『隠し剣 孤影抄』『隠し剣 秋風抄』『蝉しぐれ』と読了し、はて次は?としばし悩んだのだが、こんなときこそご隠居の出番。というわけで顧問・目黒に電話し、うかがった、推薦作『三屋清左衛門残日録』を読み始めたのだ。
50代半ばにして息子に家督譲り、隠居した三屋清左衛門が、隠居しつつも、友や藩に頼られつつ活躍する長編小説。これはまさに目黒の夢だろう。というかその年頃になったら、絶対読み返すだろう小説だ。特に親心を描いた『梅雨ぐもり』、生きる力を描いた最後の『早春の光』が胸に迫る。はて次は何を読んだらいいんだ?
夜は、とある書店さんととある出版社さんと酒。まだ出ていない本の話しとそのなかでどれが来年の本屋大賞になるかなんて話で大いに盛り上がる、ってまだ今年も終わってないのに…。そんななか印象に残ったのはこんな言葉だったのだが
「本屋大賞ですけど、おそらく初めの年は、うちの会社から誰も発表会に行ってない、っていうか本屋大賞自体知らなかったかも。それで2年目になって、これは誰か一度見てきた方がいいんじゃないか?なんてなって、それが今じゃ、みんな行きたがって困ってくらい」
それもこれも『博士の愛した数式』をはじめ歴代受賞作が売れたから注目されたわけで、売れるということは大事だ。ただし本屋大賞はそれだけでないことを是非、注目して欲しい。1冊1冊の投票された本に、書店員さんの気持ちが込められているのだ。