WEB本の雑誌

3月29日(木)

 高校時代、日本史選択だったのだが、まったく日本史の知識がない。それは当然教科書も買わずサボってばかりいたからだ。

 というわけで時代小説を読んでいてもわからないことだらけで、まあストーリーを追うだけなら問題ないけれど、できればもう少し深く読み込みたい。そこで時代小説を書いている本人である宮部みゆきと逢坂剛が東大の山本博文教授に江戸時代の疑問をぶつける『山本博文教授の江戸学講座』(PHP文庫)を読む。

 大奥や武士の就職活動や出世競争など、まさに読んでいて不思議な部分をお二人が聞いてくれるので、いやはや為になる。これで今後の藤沢周平読書が一層広がりを増すのではないか。って問題は覚えていられるかどうかなのだが。

 営業を終え、あわてて京王プラザホテルへ。本日は新潮社のラインナップ発表会なのだ。

 これはここ数年新潮社さんが年2回、マスコミ向けにこれから半年に出る主な新刊を紹介される場で、各編集部ごとにブースが作られていて、そこで新刊に資料やゲラが配られたり、著者は編集者が壇上に上がって挨拶したりする。まあ、他の業種ではよくある新製品紹介のようなものなのだが、出版社でここまで大々的にやられているのは新潮社くらいなのではなかろうか、って半年先まで新刊が決まっているのがすごい……。

 というわけでそこで紹介されていた主な新刊はこちら。


・今野敏『果断 隠蔽捜査2』
・瀬戸内寂聴『秘花』5月発売予定
・江國香織『がらくた』5月下旬発売予定
・池澤夏樹『きみのためのバラ』4月27日発売予定
・金原ひとみ『ハイドラ』4月27日発売予定
・青木淳悟『いい子は家で』5月下旬発売予定
・レオニード・ツィプキン『バーデンバーデンの夏』6月下旬発売予定
・四方田犬彦『先生とわたし』6月下旬発売予定
・重松清『青い鳥 村内先生シリーズ』(仮)6月下旬発売予定
・三浦しをん『二人の恋は草花』(仮)5月22日発売予定
・石持浅海『人柱はミイラに出会う』5月下旬発売予定
・野中柊『プリズム』(仮)6月発売予定
・桂望実『コスモス』(仮)6月発売予定
・海道龍一朗『天下人』7月発売予定
・小和田哲男『名城と合戦の日本史』新潮選書 5月下旬発売予定
・山本博文『お殿様たちの出世 江戸幕府・老中への道』6月下旬発売予定
・「考える人」編集部『伊丹十三の映画』5月15日発売予定
・佐野眞一『甘粕正彦 満州の夜の帝王』7月発売予定
・イビチャ・オシム『日本人よ』6月発売予定
・山本浩『メキシコの青い空 実況席のサッカー20年』6月発売予定
・織田憲嗣『イラストレーテッド 名作椅子大全』3月発売予定
・横山秀夫『深追い』新潮文庫 4月下旬発売予定
・重松清『くちぶえ番町』新潮文庫オリジナル 6月下旬発売予定
・本多孝好『真夜中の五分前(SIDE-A・SIDE-B)』新潮文庫 6月下旬


 この会場にも大きく展開されていた『14歳の本棚』新潮文庫の編者である北上次郎こと顧問・目黒考二がこういう会に珍しく顔を出していたのにビックリ。

「どうしたんですか?」
「いやー東京に来る機会があると嬉しくてね。でも半年先まで覚えてられないから、新潮社も毎月やってくれないかな……」

 とりあえず今のところ僕の名前は覚えていたようだ。